図1 三心一括型超電導ケーブルの構造

三心一括型超電導ケーブルの構造

Copyright © 住友電工 2009, All Rights Reserved.

3心一括型超電導ケーブルの構造(米国Albanyケーブルの例)を図1に示す。三心のケーブルコアを1つの断熱管内に収納する構造であり、それぞれのコアに断熱管を必要とする単心型超電導ケーブル×3条と比較して、ケーブル布設スペースや侵入熱が小さくなるメリットを有している。さらに、超電導ケーブルの課題である冷却時のコアの熱収縮を吸収する構造を3心一括型で実現している。心材となるCu撚線フォーマ上に超電導線を巻き付けて超電導導体を構成する。電気絶縁は、低温での絶縁強度と低誘電損失等からPPLP(Polypropylene Laminated Paper)を使用し、冷媒である液体窒素を含浸させた複合絶縁方式を採用した。絶縁層の上に超電導線を用いてシールド層を構成し、両端末部で3心のシールド層を短絡することにより、導体電流とほぼ同じ電流を誘導により逆位相で流すことができ、各コアそれぞれにおいて完全な磁気遮蔽が実現できる。勿論、ケーブルの外部に対してEMIフリーとなる。また、短絡事故電流のような過大電流が流れた際には、Cu撚線フォーマおよびCuシールドに電流が分流することで、超電導導体部および超電導シールド部の温度上昇を抑制する。3心一括型超電導ケーブルでは、3心コアを弛ませる「3心弛み構造」を採用することで、常温から液体窒素温度(約-200°C)に冷却する際の温度変化により生じるコアの熱収縮(0.3%)の吸収を可能である。また、ケーブル外部温度と内部の液体窒素温度との間の熱絶縁のため、2重ステンレスコルゲート管構造の間に多層断熱層を設け、かつ2重管内を高真空に維持することにより、高い断熱性能(低熱侵入性能)を得ている。なお、本ケーブルは「3心弛み構造」を採用していることから、現地布設ではコアそのものを引っ張らず、断熱管の外側にステンレステープによるテンションメンバを付加し、引き込み張力を分担させる構造を採用した。ケーブル外径は6インチ(152mm)管路への布設可能な135mmである。

Copyright© 2010 ITE, IPSJ, IEIJ, IEEJ, IEICE, NII. JSPS. All Rghts Reserved.