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マルチベンダによる大規模情報通信ネットワークの開発とその実用化

 社会の急激な情報化、電子化を背景にして、ハイテク技術を利用した犯罪が増えつつあることから、警察庁では、これら新型犯罪や、広域化、ボーダレス化の著しい最近の犯罪に的確に対応するため、警察内部のコミュニケーションの円滑化、情報の共有化を目的とした情報通信手段の高度化について検討を進めてきた。1993年(平成5年)度からは3か年にわたり、部外有識者を含めて警察情報管理システムのダウンサイジング化に関する調査研究を実施した。

 この研究の成果から、警察で組織のフラット化および情報の共有化を実現するためには、従来警察で使用していた汎用コンピュータを中心とした情報システム以外にも、いわゆるクライアントサーバ方式のシステムを導入する必要があるとの結論を得た。

 舟橋信、大野英雄、大野宏の三氏は、全国の各警察機関が保有する多様な情報を円滑に交換するために、多数のパーソナルコンピュータ端末までを保護対象とするマルチベンダによる大規模な分散型情報通信ネットワークを実現した。

 このシステムの特徴は、各警察機関相互間の接続にオープンシステムを採用したが、各種ソフトのバージョン統一、ミドルウェアの開発採用などによりオープンシステムの抱える問題点をクリアしたものである。

 警察の扱う情報は、プライバシー、捜査情報など取扱いに細心の注意を要する個人情報でありその情報を保護するため、大規模な分散システム環境におけるセキュリティ管理の解決策として第三者認証方式を用いた総合的なセキュリティ管理システムを構築した。このセキュリティ管理システムは、Kerberos Version 5をもとに開発されたDCEセキュリティサービスと独自方式を統合した認証機構により、ユーザ認証や利用履歴の収集、データ暗号化など高度な管理方式を採用したが、利用者の運用にあたっては、ユーザがID、パスワードを一度入力するだけで利用権限を有する業務すべてにアクセスできるシングルサインオンを実現し利便性の向上を図っている。

 セキュリティの高いシステムであっても、端末装置の管理が適切に行われていない場合、情報漏えいする恐れがある。このため、端末装置のファイルや、ディレクトリーに対して認証クライアントソフトのACL(Access Control List)機能で適切なアクセス制御を設けた。

 本システムは、1996年(平成8年)1月整備以来、警察機関で数多く活用されており、情報の共有化を図り警察活動に大きな貢献をしている。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1997年、舟橋信氏、大野英雄氏、大野宏氏に業績賞を贈った。

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キーワード

マルチベンダ、分散型情報通信ネットワーク、情報ネットワーク、情報セキュリティ
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