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高密度光ディスクDVDの研究・開発

 1990年代に入り、画像圧縮技術が進展したことなどから、映画等を小形光ディスクに記録するいわゆるディジタルビデオディスク(DVD)への要望が急速に高まった。しかし、映画1本の記録には画像圧縮技術MPEG-2を用いても、4~5GBの記録容量が必要で、この値はCD-ROMの6~7倍にも達する膨大なものである。このため、安価な手段で、いかに光ディスクの高密度・大容量化を図るかが大きな課題となった。この課題に対し、CD技術の延長で高密度・大容量化を図る色々な研究・開発が行われたが、結局、容量は3GB程度で、DVDが必要とする容量を達成することはできなかった。その大きな理由は、CDと同じ1.2mm基板を用いたのでは、チルトによるコマ収差のため、対物レンズのNAを~0.5程度までしか高めることができなかったからである。

 これに対し、菅谷寿鴻氏、佐藤勲氏、久保高啓氏は、早くから光ディスクの高密度・大容量化には薄基板(0.6mm)、NA0.6対物レンズ、赤色LDなどの技術が必須になると考え、これらを用いた高密度方式の提唱と実証、および標準化作業等を通してこれら技術の認知のため尽力された。そして0.6mm基板の課題である基板成形時の転写性、複屈折、そり、および両面張合せ時のひずみなどを解決し、これらがDVDに使えることを実証した。更に、これら先駆的な技術をベースとした高密度方式の提案で、DVDは、ディスク片面で4.7GBもの大容量化が可能となり、高品質な動画を130分以上再生できるようになった。

 具体的には、佐藤勲氏は、0.6mm基板を2枚張り合わせて高密度・大容量化することを提案(発明)した。そして直径86mm相変化光ディスクで、0.6mm基板の転写性、複屈折、そりなど成形上の課題および張合せなどの課題を解決し、高密度化に有効なことを実証した。その後この技術が直径120mmのDVDディスク開発につながるなど、DVD実用化に貢献した。

 菅谷寿鴻氏は、高速APC赤色LD光ヘッド、0.6mm基板、NA0.6対物レンズ等の技術を用いて、最初にオーバライトのできる相変化ディスクの高密度化を実証した。そして、これらの技術をベースに、DVDの基本となる高密度化のコンセプトを提案(発明)し、更にDVDディスクの開発と高密度・大容量化の実証を進め、DVDの実用化に貢献した。

 久保高啓氏は相変化光ディスクワークショップの代表世話人の一人として、菅谷寿鴻氏、佐藤勲氏らと協力し、0.6mm基板、赤色LD、NA0.6対物レンズを用いた直径86mm相変化光ディスクの共通試験を実施し、その有効性を実証した。更に3氏はこれらの技術の国際的な認知でも、相変化光ディスクのISO/IEC国際標準化等を通して指導的役割を果たした。

 以上のとおり、菅谷寿鴻氏、佐藤勲氏、久保高啓氏が提案・実証した光ディスクの高密度化に関する研究・開発の成果は、DVDの高密度・大容量化の基本技術として活用され、映像からコンピュータの分野まで統一的に扱えるマルチメディア光ディスクDVDの実用化と規格化に大きく貢献した。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1997年、菅谷寿鴻氏、佐藤勲氏、久保高啓氏に業績賞を贈った。

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キーワード

DVD、高密度光ディスク、光エレクトロニクス
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