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ウルトラクリーン化技術と次世代半導体生産技術の開発

 大見忠弘氏は、超LSIの性能・歩留りが製造プロセスに混入する極微量の不純物によるじょう乱で大きく変動することに着目、これをでき得る限り排除するウルトラクリーンテクノロジーの重要性を提唱すると共に、必要な技術を、関連企業等を指導して新たに作り上げた。更に、これまでの技術では実現が非常に困難とされていた低温半導体製造プロセスが、ウルトラクリーンテクノロジーの導入によって実現できることを、大学の研究により明らかにした。本技術は日本および海外の主要半導体メーカーのいくつかの最先端半導体工場に実際に導入され、その生産に寄与している。これまで結果に変動が多く、勘と経験に頼らざるを得なかった半導体生産に、不純物によるじょう乱を極力排除することにより十分な再現性を確立、様々な現象を合理的思考に基づいて理解・制御できる技術体系を創った。更に、省資源プロセス、廃棄物をほとんど出さない環境保全に配慮した半導体生産技術を生み出すなど、21世紀の半導体産業の基盤技術を創った。

 超LSIは、現在の高度情報化社会を支える中核となるエレクトロニクス製品であり、これを生産する半導体製造技術は現代産業の基幹技術といえる。特に、超高密度チップを高い歩留り・高い信頼性で生産する高性能半導体製造プロセス技術の確立が非常に重要である。

 同氏は、スーパクリーンルームシステムの構成に必要な個々の技術を一つ一つ丹念に見直し、各々について自ら研究すると共に多くの関連企業を指導して新たな技術開発を行った。それは、超高純度ガス技術、超純水技術、超高純度薬品技術から、スーパクリーンルーム建屋に関する空調、除塵、防振、帯電防止技術、更には製造装置技術までにも及ぶ誠に広範なものであった。これらの技術は、当時東北大学電気通信研究所・超微細電子工学実験施設のスーパクリーンルーム建設にあたって導入され、出来上がったクリーンルームにおける優れた半導体プロセス技術の研究成果により、その有効性が広く産業界に知られた。

 また同氏は、ウルトラクリーン化技術に基づき低エネルギーイオン照射プロセスを新たに開発、これにより250°Cの超低温シリコンエピタキシャル成長を世界で初めて実現するなど数々の高性能半導体プロセス技術を開発した。これらを総合し、LSIの全製造工程を500°C以下で行うトータル低温化プロセスを提唱、これは今後の大口径ウェーハの枚葉プロセスによる生産や、ガラス基板上に半導体デバイスをつくる液晶フラットパネルディスプレイの生産の基盤技術となっている。更にトータル低温化プロセス実現の基となった低エネルギーイオン照射プロセスを量産用の技術とすべく、2周波励起プラズマプロセス装置を発明・開発した。

 現在半導体生産工場では、大量の薬品・超純水を文字どおり湯水のごとく消費するため、水不足や、環境への悪影響が懸念されている。同氏はこれを解決するため、超純水・薬品の使用量を大幅に減少できる新しい洗浄方法を開発すると共に、薬品を回収・再利用する技術も実用化した。半導体生産に省資源の考えを導入し、かつ廃棄物を極力出さない環境保全にも配慮した半導体生産技術の開発である。

 同氏は21世紀へ向けた半導体製造技術の基盤を確立した。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1997年、大見忠弘氏に業績賞を贈った。

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スーパクリーンルーム、ウルトラクリーン化技術、その他(電子・デバイス一般)
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