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ATMノードシステムの開発

 21世紀の本格的なマルチメディア社会の実現に向けて、音声・データ・映像などのマルチメディア情報を低速から高速まで一元的にかつ効率良く通信できるマルチメディア通信ネットワークへの期待が高まっている。この実現のためには、非同期転送モード(ATM)とよばれる新しいネットワーク原理がキーテクノロジーとして注目を集めている。

 ATMの研究開発、実用化への取り組みは国内外で精力的に進められており、高速コンピュータ通信等への利用も進みつつある。高橋達郎氏、黒田憲一氏、大山茂氏らは国際標準に準拠し、公衆網にも適用できる信頼性の高いATMノードシステムを世界に先駆けて実用化した。

 本システムの実用化にあたり、まず、ATMの通信手順について簡易な方法を提案し、標準化を進めると共に、ユーザのトラヒックを複数の品質クラスに分類し、優先制御機構を設けるなど、高能率なトラヒック制御技術を考案し、高い回線利用効率を実現した。また、音声、データ、映像などの異なる速度、接続条件の信号を混在収容し、10Gbit/sの高スループットで多重・交換処理するセルフルーチングスイッチ構成を考案した。更に、本システムの小型化・高信頼化を図るため、従来のディジタル交換機の約4倍の発熱を吸収できる新しい給電、冷却技術の開発や高速・高集積デバイス技術を駆使した高速・高密度実装を実現している。

 一方、ATMノードシステムの運用にとって極めて重要である保守・試験機能の高度化を実現した。具体的には、ATMではすべての情報をセルという固定長データを単位として制御しているため、物理コネクションあるいは論理コネクション単位に保守・試験用セルを挿入する方式を考案した。これにより、装置内の正常性を定常的に監視するパイロット試験や呼設定時に行う導通試験に加え、セルの損失・誤配送・ビット誤り等が網内のどこで発生したかを特定できるオンライン試験を可能としている。

 以上のような特徴を有するATMシステムは、1994年よりフレームリレーやセルリレーなど新しいコンセプトに基づく商用サービスの中核ノードとして導入されると共に、その技術先導性は海外でも高く評価されている。また、日本全国の127グループが合同で推進しているマルチメディア通信の共同利用実験のテストベッドとしても提供され、ATMネットワークの新しい利用技術や広範な分野でのアプリケーション開発を促した。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1996年、高橋達郎氏、黒田憲一氏、大山茂氏に業績賞を贈った。

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キーワード

ATMノードシステム、情報ネットワーク、交換システム
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