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OSI通信システムの開発・実用化

OSI7層通信ボード

図1 OSI7層通信ボード

 高度情報通信ネットワークの構築に際しては、異なったコンピュータや端末システムを自由に接続し、情報の転送を効率よく行うための通信規約であるOSI(開放型システム間相互接続)プロトコルの使用が不可欠である。このため、OSI通信システム、および、その構成要素である高性能ソフトウェアならびに通信ボードの開発が極めて重要な課題となる。

 小野欽司氏、浦野義頼氏、鈴木健二氏は、このようなOSI通信システムの重要性に着目し、OSI参照モデルの各層プロトコルが標準化されるに従い、ほぼ時を同じくして、それらに対応するプロトコルソフトウェアを順次、開発・実用化した。また、同氏らは、市販のパソコンやワークステーションを用いて、OSIによる通信を可能とすることをねらって、公衆データ網、電話網、ISDN、LAN対応のOSI通信ボードの開発・実用化を行った。これらの成果は、地方自治体や各種企業の通信網ならびに公衆通信網などにおける通信システムの構築で使用されており、我が国における高速・高信頼の異機種コンピュータ間通信の実現に多大な貢献を行っている。

 本システムの開発では、1985年(昭和60年)にOSIトランスポート(第4)層、セション(第5)層の全機能を実現するためのソフトウェアパッケージを、世界に先駆けて開発・実用化した。また、1986年(昭和61年)には、OSI参照モデルの1層から3層に相当するパケット通信プロトコルX.25やX.32を、第2層までの通信ボードと第3層のソフトウェアを組み合わせて、パソコンで実現した。更に、1987年(昭和62年)には、プレゼンテーション(第6)層、応用(第7)層に該当するFTAM(ファイル転送、アクセスと管理)ならびにMHS(メッセージ通信処理システム:1984年版)のソフトウェアパッケージを実用化した。

 その後、1989年(平成元年)にはOSIに第1層から5層までの機能を、また1992年(平成4年)には第1層から7層までの機能を、いずれもパソコン用のOSI5層ボード、7層ボードとして、世界に先駆けて実用化した。また、対象機種はパソコンからワークステーションに、対象通信網はISDNやLAN(CSMA/CD)にまで広げている。更に、応用層のソフトウェアもディレクトリ、TP(トランザクション処理)、CMIP(共通管理情報プロトコル)ならびにMHS(1988年版)用などを開発・実用化している。

 以上のように、同氏らは、OSI通信システムに関連して、世界に先行した各種ソフトウェアや通信ボードの開発・実用化を行い、異機種コンピュータ間通信の実現に貢献した。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1993年、小野欽司氏、浦野義頼氏、鈴木健二氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 鈴木健二、加藤聡彦、浦野義頼、OSIトランスポートおよびセッション・プロトコルの実装、1988年、情報処理学会論文誌、29巻、12号
[2] K. Suzuki, T. Kato, and Y. Urano、Implementation of OS Transport and Session Protocols、1988年、IPS Transaction, Vol.29, No.12.
[3] 鈴木健二、加藤聡彦、小花貞夫、パケット通信プロトコルX.25とX.32のパーソナルコンピュータの実装と評価、1990年、電子情報通信学会論文誌、J73-B-I巻、6号
[4] K. Suzuki, K. Kato, and S. Obana、Implementation and Evaluation of Packet-Switched Protocols X.25 and X.32 for Personal Computers、1990年、IEICE Transaction, Vol.J73-B-I, No.6.
[5] 井戸上彰、加藤聡彦、鈴木健二、小野欽司、OSI7層ボードのためのオペレーティング・システム、1994年、情報処理学会論文誌、35巻、5号
[6] A. Idoue, T. Kato, K. Suzuki, and K. Ono、Operating System for OSI 7-layers Communication Boards、1994年、IPS Transaction, Vol.35, No.5.

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