1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号973)

新同期インタフェースを適用した伝送システムの実用化

ディジタルハイアラーキの統一

図1 ディジタルハイアラーキの統一

新同期インタフェースを適用した伝送装置のモジュール構成

図2 新同期インタフェースを適用した伝送装置のモジュール構成

モジュールAの外観図

図3 モジュールAの外観図

 情報化社会の進展と共に伝達される信号は多様化、高速化しつつあり、これに伴い通信ネットワークはより一層複雑になってきている。ネットワークの複雑化は経済性を損なうのみならず運用性にも大きな支障を与えるものであり、それ故、ネットワーク構造の変革、すなわちシンプル化が強く望まれ、新しい伝送路網の検討が進められてきた。

 一方、将来の高速広帯域サービスを世界統一のインタフェースで提供可能とするため、CCITTでは新しいUNI(User Network Interface)の研究を開始し、これと共に現在世界に3種類あるディジタルハイアラーキ-を一つに統一するため、ネットワーク構造の基本となりインフラストラクチャを構成する装置のインタフェースを規定するNNI(Network Node Interface)の研究が並行して進められた。その結果、日本や米国等の積極的な活動により、NNIについては各種信号を柔軟に同期多重化できる構造を持ち、運用保守性に富んだ新しい同期インタフェースが標準化された。

 以上のような背景からNTTでは経済的で運用性のよいネットワークを構築すると共に、将来の高速広帯域サービスにも対応するため、世界に先駆け新しい同期インタフェースを適用した伝送システムを開発した。システムの開発に当たってはネットワークのシンプル化、柔軟化に対応するため、以下のごとく伝送路網の構成機能の体系化とそれに伴う物理的なシステムとしてのモジュール化を行った。
 (1)伝送路を終端し多重化する機能(通称モジュールA)
 (2)信号の編集を行うクロスコネクト機能(通称モジュールB)
 (3)既存インタフェース信号を新しい同期インタフェースに変換するインタフェース変換機能(通称モジュールC)
 また各モジュールの自由な組合せを可能とするため、モジュール間インタフェースは局間の伝送路インタフェースである新同期インタフェースの156Mbit/s×Nに、局内インタフェースは同じく52Mbit/s、156Mbit/sに統一した。

 河西宏之氏、白川英俊氏、鴇沢郁男氏は、本システムの研究開発において中心的役割を果たし、その実用化を可能とした。以下、具体的に開発された装置を紹介する。
 (1)モジュールA
 複数の局内信号を600Mbit/sまたは2.4Gbit/sの伝送信号に直接同期多重変換し、長距離大容量伝送を可能とする装置を開発した。本装置では高速光伝送技術として1.31μm帯のほか大幅な長距離化が図れる1.55μm帯波長を採用し、中継間隔80kmを実現した。また多重化技術としてポインタ操作を活用することで、52Mbit/sと156Mbit/sの異速度信号を収容できる構成とすると共に遅延時間の低減を実現した。
 (2)モジュールB
 複数の52Mbit/sまたは156Mbit/sのインタフェース信号間で任意の24回線単位のクロスコネクトを行う装置を開発した。時間スイッチと空間スイッチを組み合わせることで、完全線群で約10万回線の収容を可能とすると共に、収容回線数に応じてスイッチ規模を柔軟に拡張できる構成を実現した。
 (3)モジュールC
 プログラマブル多重変換技術により、既存の4種類の低速インタフェース信号を52Mbit/sまたは156Mbit/sの新同期インタフェース信号に効率よく多重変換すると共に、新同期インタフェース信号相互間で24回線単位の信号の挿入・分離を行う機能を実現した。

 以上のように、今後のネットワーク構築の中核となる新同期インタフェースを適用した伝送システムの実用化は、我が国の電気通信の発展にとって大きな礎となるものである。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1991年、河西宏之氏、白川英俊氏、鴇沢郁男氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 河西宏之、白川英俊、和才博美、ネットワーク構造を変えた新しい伝送路網-新しい同期インタフェースを適用による伝送路網の構築-、1989年、NTT技術ジャーナル、vol.1, no.6
[2] H. Kasai, T. Murase, and H. Ueda、Synchronous digital transmission systems based on CCITT SDH standard、1990年、IEEE Communications Magazine, vol.28, no.8
[3] 河西宏之、槙 一光、辻 久雄、上田裕巳、よくわかるSDH/SONET伝送方式、2001年、オーム社

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

通信
(通信に係わる技術)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

1991
雲仙普賢岳で大火砕流が発生する。
1991
湾岸戦争が始まる。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

同期インタフェース、情報ネットワーク、通信方式
Page Top