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自動車ナンバー自動読取システムの実用化

 最近の重要事件の大半が自動車を利用した犯罪であり、しかも盗難車が使われているケースが非常に多い。自動車利用犯罪については、盗難自動車対策と共に、緊急配備をいかに的確に行うかが重要な課題となっている。現状では、緊急配備による車両検問を実施する場合でも、実際に検問が開始されるまでに時間を要すること、交通量が多い場所では検問の効果的実施が困難であること、複数の盗難車両を逃走に使用する場合は検問による捕捉が困難であることなどの問題がある。

 警察庁では、これらの問題に対処するため、1981年(昭和56年)度から5か年計画で電子的検問システムとして自動車ナンバー自動読取システムの研究開発を進めてきた。その結果、1984年度には試作装置による構内実験を行い、1985年度には路上実験等各種実験を重ね、実用化への見通しを得、1986年度から実用を開始した。このシステムの実用化は、緊急配備での盗難自動車の迅速・正確な発見を可能とし、自動車利用犯罪の検挙に大きな効果を発揮している。

 自動車ナンバー自動読取システムは、道路上を走行する自動車のナンバープレートの文字を読み取り、これと盗難自動車のナンバーを照合し、該当がある場合にリアルタイムでヒットした盗難自動車ナンバーを警察官に通報するもので、以下の技術開発を行うことにより、その機能を実現している。

 1.道路上を走行する車両のナンバーを認識するには、ナンバープレートを確実にカメラの視野内で撮像しなければならない。このため車両の位置検出を高精度かつ高速に行う位置センサを開発した。

 2.ナンバープレートの撮像には、電子シャッタ機能を組み込んだ大画素CCDカメラを開発した。また昼夜の広範な光量変化に対しても、最適画像レベルが得られる絞りを制御する方式を開発した。

 3.夜間のナンバープレート撮像の照明として高性能のストロボを開発した。このストロボは、運転者に影響を与えない対策を施している。

 4.ナンバープレート切り出しには、フレームメモリに蓄積したカメラの映像信号(ナンバープレート、バンパー、フロントグリル、ヘッドライト等)の中から、ナンバープレート上の文字信号固有の特徴に注目して、抽出する特殊な手法を開発した。

 5.抽出したナンバープレート上の文字の認識は、パターンマッチングと輪郭特徴マッチング、背景特徴マッチングを組み合わせることにより実現した。

 上述のように、新たに開発したものをトータルシステムとしてまとめあげ、厳しい設置環境下での使用にも十分耐えるかどうかフィールドテストを経て、自動車ナンバー自動読取システムが実用されるに至った。

 田島昭幸氏、松田喜久男氏、および中山清治氏は、このシステムの研究開発およびその実用化の過程で常に中心的役割を果たし、日本警察の科学的捜査の分野の進歩にも大きく寄与した。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1989年、田島昭幸氏、松田喜久男氏、中山清治氏に業績賞を贈った。

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