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電子番号案内方式の実用化

電子番号案内方式の構成

図1 電子番号案内方式の構成

案内台のキーボードの構成(東京の場合)

図2 案内台のキーボードの構成(東京の場合)

名義のあいまいさの形態

表1 名義のあいまいさの形態

 電話案内業務は、オペレータが案内用電話帳を使用し電話番号を検索することにより行われていたが、案内待ち時間・オペレータの負担・紙資源の増加等の問題が顕著になってきたために、計算機に電話帳の情報をデータベース化し、オペレータがキーボードから入力して検索する電子番号案内方式の実用化が必要となってきた。この実用化には次の問題を解決する必要があった。①キーボードから入力しデバイスに表示する検索方式はオペレータに負担がかかる。②顧客から得られる問合せ情報はあいまいなことが多く、そのまま入力しても目的の電話番号が得られないためサービス性が低下する。③電話案内業務は24時間サービスであり、システムの停止が許容されない。従って、以下の方式構成・アルゴリズムを確立し、その実現を図った。

 オペレータの負担を軽減するためには、仮名入力漢字ディスプレイ方式の採用、および解が1件に絞られた場合は音声応答装置で自動回答する自動音声回答方式を適用した。次に、顧客からの問合せ情報のあいまいさに対するサービス性向上には、濁音の消音化等、文字単位の正規化を行うあいまい検索アルゴリズムを確立した。これは、名義を問合せどおりに入力すると濁音/清音、ジ/ヂ、ズ/ヅの混同、長音の変化等の問題があり、データベース上に登録された名義と一致しないことが頻繁に発生することに対する解決法である。更に、この対処でも解が見つからない場合は、名義の末尾が省略または置換されたり、住所が誤っていることが多いことから、入力した字数まで一致したデータを一致と見なす前方一致論理処理、名義の末尾切捨てによる語の削除、住所削除等、検索条件を自動的に変更・削除し、オペレータに依存することなく自動的に検索条件を拡大し続行する方式を確立した。これはオペレータの持っている検索知識を計算機上にインプリメントしたことを意味しており、人間のあいまいな表現にも対処可能な知識処理の先駆けといえる。

 また、システムの24時間連続運転を実現することに対しては、2重化データベースの負荷分散方式+冷予備方式を採用した。この場合、冷予備システムでは電話帳システムを実現してデータベースの共用化とシステムの効率化を図った。

 顧客のあいまいな問合せに対し、機械的な完全一致検索では50%の回答しか得られないのに比べ、本方式の実現により、これまでの案内用電話帳による方法以上の回答率を達成することができた。また、案内時間も大幅に短縮することができ、サービス性が向上した。またオペレータの負担も問題がなく、案内用電話帳の棚からの上げ下ろしや、ページめくりが不要になった結果、これまでより飛躍的に作業性が改善された。坂井陽一氏、池浜英夫氏、宮部博氏は本実用化に当り、方式の立案、検索方式の確立、システムの設計全体に中心的な役割を果たした。

 本電子番号案内方式の実用化は、電話案内業務の改善への多大な寄与はもとより、ここで確立したあいまい検索技術、自動拡大検索技術は、情報処理分野の顧客情報管理システム等の名義検索にも適用可能である。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1988年、坂井陽一氏、池浜英夫氏、宮部博氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 本郷郁夫、宮部 博、電子番号案内方式の研究、1983年、研究実用化報告、32巻、1号
[2] 池浜英夫、坂井陽一、電子番号案内システムの構成法と処理方式、1987年、研究実用化報告、36巻、4号
[3] 宮部 博、大山 実、本郷郁夫、名義検索システム、1983年、情報処理学会論文誌、24巻、4号
[4] 池浜英夫、坂井陽一、電子番号案内方式の実用化、1987年、電子情報通信学会誌、vol.70, no.10, pp.1042-1044, 1987

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