1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号957)

ディジタル警察移動無線通信システムの実用化

 警察移動無線通信システムには、パトカー等に搭載された車載無線機により構成される車載無線通信システムと、パトロール活動中の警察官が携行する携帯無線機により構成される携帯無線通信システムとがあり、これらのシステムには、いずれもFM方式が用いられている。

 第一線警察活動では、これら車載無線通信システムと携帯無線通信システムが活用されているが、近年、警察移動無線通信システムに対する傍受、妨害が急増し、その内容も悪質化の傾向にあるため、通信内容を傍受から保護し、更に電波妨害の発生に際しても混乱することなく警察活動ができるような、傍受、妨害に強い警察移動無線通信システムの確立が急務となっていた。

 本システムは、現行のFM移動無線方式とほぼ同等の規格で音声通信が可能なディジタル通信方式を実用化したもので、通信内容の秘匿性を著しく高めたほか、データ、画像等、ディジタル非音声情報の高速伝送路としての機能を有しており、その実用化の効果は極めて大きいものがある。

 本システムの開発経緯は、1978年(昭和53年)度に着手したFM方式とほぼ同等の帯域幅で使用できるナローバンドのディジタル音声通信方式の研究開発が最初であり1981年(昭和56年)度には、電波技術審議会においても、ディジタル移動無線の審議が開始され、1982年(昭和57年)度に一部答申がなされたのに基づき、同年、国内で初のディジタル方式による携帯無線機を実用化した。更に1983年(昭和58年)度には、世界に先駆けてディジタル中継方式を含む本格的なディジタル車載通信システムを実用化した。

 本システムにおける技術的成果は、次のとおりである。
 (1)複雑なディジタル回路を用いているにもかかわらず、LSIの採用により、小形軽量なハードウェアを実現した。
 (2)音声コーデック回路の改善により、ビット誤り率の大きい回線においても通信可能とした。
 (3)将来、データ、画像等の非音声通信を能率良く伝送する道を開いた。
 (4)非常に高度な秘話方式を開発、実用化した。
 このように、ディジタル化が遅れていた移動通信の分野において大規模なシステムを実用化したことは、今後警察のみならず、他の分野における移動通信のディジタル化の実現性を立証したものであり、その意義は極めて大きい。

 この技術に対して、電子通信学会は、1985年、菅谷弘氏、川田隆資氏、石井康一氏に業績賞を贈った。

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

通信
(通信に係わる技術)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

1985
つくば市で科学万博が開幕する。
1985
電電公社が民営化され、NTTが発足する。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

ディジタル警察移動無線通信システム、無線通信システム
Page Top