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テレビジョン多重放送方式の研究開発

 テレビ多重放送には、テレビ音声多重放送や文字放送のようにテレビ放送電波に付加的な情報を多重して、現行放送番組と同時に放送するものと、放送電波1チャネルを使って、同時にカラー静止画と音声で構成した数十番組を放送する静止画放送などがある。これら方式のうち、テレビ音声多重放送は、我が国で、1978年より実用化試験として放送が開始されており、その他の方式は、開発の段階にあり、方式の確立が大きな課題となっている。

 沼口安隆氏は、1967年以来今日まで、テレビ多重放送全般にわたり体系的かつ独創性の高い研究開発を行い、電波技術審議会、CCIRなどを通じてテレビ放送の新分野の開拓に指導的役割を果たし、方式の実用化に尽力した。

 その一つに、テレビ音声多重放送の研究開発がある。この方式は、1968年に電波技術審議会の諮問事項となり、1972年に答申が行われているが、その間、特性の解析と野外伝送実験などによる方式研究を行い、両立性、音質、普及性の観点から、FM-FM方式の優位性を明かにし、その技術基準の作成に中心的役割を果たした。この方式は、日本独自に開発されたものであり、CCIRでもNTSC方式において、適当であることが認められている。又、同氏は、音声多重用受信機の研究開発を推進し、普及性の高い実用的な受信機を開発した。これらの成果は、世界に先駆けた本方式の実用化に大きく寄与した。

 映像信号の垂直帰線消去期間を利用する文字放送は、1973年電波技術審議会の諮問事項となり、答申にむけて作業が進められているが、同氏は、文字放送方式の研究開発グループの中心として、文字信号を多重する場合の重畳条件と放送に適した伝送速度を解明し、これを基礎として、欧米方式に比し、複雑な文字、繊細な図形が容易に伝送できるパケット方式の提案を行い、野外伝送実験において、その実用性を確認した。その成果は、国内方式確立に大きく寄与している。

 静止画放送では、1973年以来、実用性の観点から、現行のテレビジョンシステムと両立可能なカラー映像信号とディジタル音声信号の時分割多重方式と家庭用全固体化ディジタルフレームメモリの研究開発を指導的立場から推進し、将来の実用化への基礎を固めた。

 このように、テレビ多重放送方式全般にわたる研究開発は、テレビ音声多重放送の実用化、文字放送、静止画放送の方式の確立など、テレビ放送の新分野の開拓に大きく寄与した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1980年、沼口安隆氏に業績賞を贈った。

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キーワード

テレビジョン多重放送方式、テレビ音声多重放送、放送方式
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