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低消費電力マイクロ波通信方式の開発実用化

 従来のマイクロ波通信方式においては1中継所当りの消費電力が数百Wから数kWもあり、電源設備として商用電源が得られないへき地の中継所においては、エンジンゼネレータによって発電する方式が必要であった。このため約3箇月ごとの燃料補給や数千時間ごとの定期整備が必要となり山岳地帯、砂ばく地帯、へき地、極寒地帯等でのマイクロ波通信網の建設は道路の建設が困難なため、ほとんど不可能であった。

 川橋猛氏、杉本浩康氏、海東幸男氏は、いち早くこのような地域におけるマイクロ波通信の必要性に着目して電源設備として信頼度の高い太陽電池や熱発電機を採用した高信頼度で経済的なマイクロ波通信方式を実現するために1中継所当りの消費電力を30Wから40Wに低消費電力化したマイクロ波通信機器の開発を1971年(昭和46年)から着手し、幾多の困難の克服して1973年(昭和48年)には2GHz帯低消費電力マイクロ波通信方式を完成し、続いて4GHz帯、6GHz帯と次々に周波数帯を拡大してきた。

 本方式では、マイクロ波通信機器の電力効率を大きく左右する送信部に従来から用いられている周波数逓降逓倍の技術を一切用いず、高周波トランジスタ直接増幅により高能率化し、又、局部発振器はスーパインバー製の半同軸空どう共振器によって制御されたトランジスタ直接発振器を開発実用化し低消費電力化を図った。1送受信装置の消費電力は2GHzでは6.5W(送信出力0.4W)、4GHzで14W(送信出力0.5W)、6GHzで20W(送信出力0.5W)という画期的なものである。

 以上のようにマイクロ波通信機器の消費電力を従来形対比で約1/10と画期的に低減したことにより信頼度の高い電源設備の採用が可能となり、又、中継所の諸設備も簡単となり、プレハブ形シェルタやマンホール形シェルタに実装することが可能となった。これにより道路建設が困難な地域へはヘリコプタ輸送によって中継所の建設が可能となり、燃料補給も年1回程度で済み、且つ、定期巡回保守もほとんど必要としない高信頼度低消費電力マイクロ波通信方式の実用化に成功した。

 本方式は、オーストラリア、グリーンランド、アルジェリアなど世界各国で採用され、その信頼性や経済性が高く評価されており、マイクロ波通信方式の適用領域を一段と拡大し、マイクロ波通信の発展に大きく貢献した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1979年、川橋猛氏、杉本浩康氏、海東幸男氏に業績賞を贈った。

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低消費電力マイクロ波通信方式、無線通信システム、マイクロ波
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