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64キロビット超LSIメモリの研究開発

64キロビット超LSIメモリのチップ写真

図1 64キロビット超LSIメモリのチップ写真

実現された64キロビット超LSIの主な特性

図2 実現された64キロビット超LSIの主な特性

 メモリ用のLSIについては、既に1kbit、4kbitに加え16kbitが実用になっているが、LSIの高集積化は電気通信機器や情報処理装置の飛躍的な小形化、高性能化をもたらすものとして重要な研究課題になっている。

 64kbit超LSIメモリは、このような状況のもとで武蔵野電気通信研究所において世界に先駆けて開発されたものであり、独創的回路技術、プロセス技術の総合化により約6mm角のシリコンチップ上にトランジスタやコンデンサなど約15万6千個の素子を集積し、MOS形ランダムアクセスメモリとして完成したものである。

 この研究開発は、電電公社と日本電気(株)、(株)日立製作所および富士通(株)との共同研究のもとに進められ、武蔵野電気通信研究所を中心として関係者多数の協力によって達成されたが、なかでも家田信明氏、荒井英輔氏は、研究プロジェクトの中心となって幾多の研究課題を克服し、その完成に尽力した。

 この超LSIの実現に当っては、まず、発熱による温度上昇の関係から回路全体の消費電力の低減が重要であり、これを解決するため、従来の4kbitMOSメモリに比べて約5倍の高感度でしかも消費電力が約1/8の新しい低電力センス回路、動作マージンの大きなレベル検出回路等を開発した。又、光露光技術を駆使して最小2μm幅の微細パターン形成を実現すると共に、直径3インチの精密なウエハ処理のプロセス技術を確立し、モリブデンによる微細配線、極薄な酸化膜形成等の安定した微細加工を可能ならしめた。

 これらの技術の開発により、210μm2の微小なメモリセルを実現すると共に、アクセス時間200ns、消費電力150mWを達成し、現在の市販の16kbitランダムアクセスメモリに比べ、性能指数(アクセスタイム×消費電力/ビット数)で約5倍の性能向上に成功した。

 この64kbit超LSIメモリの完成は、今後の電気通信システムの発展に大きなインパクトを与えると共に、これらの研究成果は、論理LSI等への応用など、技術的波及効果も大きく、我が国のこの分野の技術水準を更に高めた。

 この技術に対して、電子通信学会は、1978年、家田信明氏、荒井英輔氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 矢野隆夫、家田信明、大森康生、武谷健、1トランジスタ形MOSメモリ用高感度センス回路、1978年、信学論(C), Vol.J61-C, No.5, p.273, 1978
[2] T. Yano, N. Ieda, Y. Ohmori and K. Takeya、Highly sensitive sense circuit for single transisitor MOS RAM、1978年、Trans. IEICE'78/5, Vol.61-C, No.5, p.273, 1978
[3] N. Ieda, E. Arai, K. Kikuchi, Y. Ohmori and K. Takeya、A 64K MOS RAM Design、1978年、JJAP17, Supplement17-1, p.57, 1978
[4] E. Arai and N. Ieda、A 64-KBIT Dynamic MOS RAM、1978年、IEEE, J. Solid-State Circuits, SC-13, p.333, 1978

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キーワード

64キロビット超LSIメモリ、超LSIメモリ、集積回路、シリコン材料・デバイス、VLSI設計技術
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