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モノリシック光集積回路の基礎研究

能動光集積回路の構造

図1 能動光集積回路の構造

単一モード周期的分布共振器と集積レーザ

図2 単一モード周期的分布共振器と集積レーザ

動的単一モードレーザと集積レーザの進化

図3 動的単一モードレーザと集積レーザの進化

 光回路を一体化して集積すること、すなわち、モノリシック集積化は、光エレクトロニクス技術を向上させる上において、多くの光素子を一体化して、性能の高い光回路を実現するばかりでなく、集積化技術を駆使して個々の光素子を高性能化する上においても重要な課題の一つである。このモノリシック光集積回路を実現させるには、光源となる半導体レーザの集積化がその主要部となっており、これを実現する際、(1)高信頼性、(2)結晶成長の一貫性、(3)光素子の高効率相互接続、(4)光導波路の低損失化、などを尊重した構成法とその精密加工技術の確立が必要である。

 末松安晴氏、山田実氏は、まず、この中心課題の一つを解決するために、AlGaAs半導体多層薄膜構造からなる出力導波路を有する二重導波路形レーザを創案し、これを同研究室の多くの若い研究者の助力を得て、実現させた。上林利生氏は、引続いてこの研究に参加し、精密加工のためのエッチング法を改良して複数個の光能動素子のモノリシック集積化の実現に成功した。

 このような方法で作成された二重導波路形レーザは、構造上出力用導波路を備えたものであることからも世界的に最初のものであり、その製作に当り結晶成長が一貫して行えるだけでなく、又、出力導波路のAl含有量を制御して低損失にすることができ、次段素子との結合量も100%近くの高効率にすることができるなどの特長をもっている。更に、この出力用導波路上に各種の共振器を付けることによって、レーザ発振を単一周波数で行わせたり、低出射角で外部に放射させたりすることもできるなど、優れた多くの性能をレーザ自体に付与することができ、その性能を格段に向上させる可能性を示した。更に、上記のレーザに各種の光増幅素子や光検出素子などを一体として集積させて、モノリシック光集積回路の原形を実現した。このように二重導波路構造は光集積回路の基本構造として最適なものの一つと考えられ、その意味で、この研究はモノリシック光集積回路の基礎を確立したといえる。

 以上述べたように、この画期的な研究成果は、モノリシック光集積回路を構成する一方法の基礎を世界に先駆けて確立したものであり、今後の光デバイス、光通信、光ファイバ通信の研究範囲を拡大し、我が国のこの分野における水準を一層高めた。

 この技術に対して、電子通信学会は、1978年、末松安晴氏、山田実氏、上林利生氏に業績賞を贈った。


文献

[1] Yasuharu Suematsu and Kenji Hayashi、General analysis of distributed Bragg reflector and laser resonator using it、1974年、National Convention of the Institute of Electronics and Communication Engineers, 1200, p.1203, July 25-27, 1974.
[2] Y. Suematsu, M. Yamada, and K. Hayashi、A Multi-Hetero-AlGaAs Laser with Integrated Twin-Guide、1975年、Proc. IEEE, Vol.63, No.1, pp.208-209 (Jan. 1975)
[3] Y. Suematsu、Monolithic Integration of Optical Circuits and Related Twin-Guide Lasers、1977年、International Conference of Integrated Optics and Optical Communications, B1-1, Tokyo, July 1977.

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キーワード

光集積回路、モノリシック光集積回路、光通信、フォトニクス、動的単一モードレーザ、単一モード半導体レーザ、レーザ・量子エレクトロニクス、光エレクトロニクス
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