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PCM-100M同軸伝送方式の実用化

 公衆通信回線の大部分は同軸ケーブル伝送方式、マイクロ波方式などのFDMアナログ伝送方式によって構成されている。FDMアナログ伝送方式は電話信号用としては優れたものであるが、今後大きな需要が期待されているデータ信号や画像信号の伝送にはディジタル伝送方式がより有望と考えられている。このため電話はもとよりデータ、画像信号を柔軟な組合せで多重化し効率よく伝送できる、いわゆる総合通信網時代の伝送方式として経済的なディジタル伝送方式の開発が要望されている。

 PCM-100M方式はこの要求に応えるために実用化された中容量区間用同軸ディジタル伝送方式であって、アナログ伝送方式と同一の2.6/9.5mm同軸ケーブルを使用し、中継間隔3kmで1システム当り電話1,440回線、または4MHzテレビ15回線を提供しうるほか、各種データ、ファクシミリ信号と良好な品質で効率よく伝送しうるよう設計されている。

 この方式の研究実用化は、1965年(昭和40年)より電電公社を中心として行われ、10年にわたる歳月と多くの関係者の協力により実用化に至ったものである。

 市川勉氏、荒谷孝夫氏、田崎公郎氏は本方式の実用化を進めるグループの中心となって、多くの研究課題を克服し、世界に先がけて本方式の完成に尽力した。

 本方式の実現には、既存のPCM-24方式の60倍も高速の100Mb/sで完全に動作するパスル再生回路技術、混成集積回路技術、ダイナミックレンジの広いAGC方式、スクランブルドAMI符号、各種情報の効率的伝送を可能とするハイアラーキ、多重変換装置の経済的なフレーム構成の開発実用化が大きく寄与している。本方式の実現に際し、我が国は常に技術先導的な役割を果たし、ディジタルハイアラーキ3次群については国際電信電話諮問委員会(CCITT)の第6回総会(1976年秋)で勧告される予定であり、これらのハイアラーキはPCM-100M方式のみならず、開発中のPCM400M方式など今後の各種有線、無線ディジタル伝送方式、更には同軸ケーブルに続く新しいケーブル伝送媒体であるファイバケーブル伝送方式などにも適用しうるものである。

 以上のようにPCM-100M方式の実用化は、経済的で融通性のある通信網の形成に貢献するものと考えられる。

 この技術に対して、電子通信学会は、1976年、市川勉氏、荒谷孝夫氏、田崎公郎氏に業績賞を贈った。

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キーワード

同軸伝送方式、PCM-100M方式、通信方式
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