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警視庁交通管制センターの完成

 交通管制システムは、道路交通情報の収集、分析および伝達、交通信号機、道路標識などのシステム的な制御、警察官や交通巡視員に対する交通規制のための指令などを一体的かつ有機的に行うものである。

 警視庁では、1963年(昭和38年)に交通情報の収集とその広報を目的とした交通情報センタを開設するとともに、交通信号機の機能高度化のため、全感応式信号機、自動感応式系統信号機などの開発を進めた。更に街路網の面的交通流制御の最適解を求めて、電子計算機を用いた交通信号機の集中制御の検討を行い、1970年(昭和45年)にはその本格的システムの運用を開始した。しかし、都市交通の激化が著しく、広域交通信号制御システムと交通情報センタを一元化し、交通管制システムを開設する必要性が痛感されるようになってきた。このため警視庁は、多くの関係者の協力により、その基礎的検討を行い、1974年(昭和49年)3月、このシステムの中枢である交通管制センタが完成に至ったものである。

 本センタは約3千の交通信号機の制御および約2千の車両感知器からの情報の処理などを行う7組の電子計算機、交通情況表示盤、管制卓などを装備する世界最大規模のもので、猪瀬博氏、岡本博之氏、宮野嘉文氏はこのセンタを開設するための基礎的研究、その開設およびその運用のためのグループの中心となって、多くの研究課題を克服し、本センタの完成に尽力した。

 本センタの実現には、このシステムが社会活動に密着しており、全日稼動で、しかも多数の端末設備が屋外に設置される条件で、高い信頼性を要求されるため、システム構成のあり方が特に重要であり、システムの信頼性の綿密な分析が極めて大きく貢献しているほか、本センタが制御対象とすべき将来の交通の姿の予測、交通信号機の制御内容の改善と発展を主とする制御方法、ならびにシステム運用の中心となる管制卓、交通情況表示盤、CRTディスプレイなどマンマシンインタフェースの適正化などが大きく寄与している。

 又、本センタの情報源である交通流の計測や交通信号機の制御は、長年にわたる理論的研究と実験結果に負うところ大であるが、更に測定精度の向上、端末信号制御機の信頼性向上の研究が大きく貢献している。

 本センタの完成によって、自動車時代の深刻な社会問題である交通事故、交通渋滞および交通公害の防止において、その効果が顕著であり、交通工学とエレクトロニクスによる広域交通管制が道路交通問題の改善に寄与するものと考えられる。

 この技術に対して、電子通信学会は、1976年、猪瀬博氏、岡本博之氏、宮野嘉文氏に業績賞を贈った。

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