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DIPS-1システムの実用化

 DIPS-1(Dendenkosha Information Processing System-1)は、初めて商用に供された電電公社の標準形情報処理システムの名称である。

 本システムは、当時の我が国でオンライン用として設計された最大の実用システムであり、電電公社、日本電気、日立製作所、富士通の4社の協力によって実用化されたものである。

 DIPS-1の実用化は、1968年(昭和43年)から検討が開始され、多数の関係者の協力により1972年(昭和47年)には最初の商用機が設置された。1973年(昭和48年)から、このDIPS-1を用いた科学技術計算サービスが開始され、現在約450のユーザが同サービスを使用している。

 DIPS-1の主要な技術上の特色は次のとおりである。
 (1)各者固有の技術を生かすため、ハードウエアとしては異なった計算機であるが、アーキテクチャを統一することにより同一のソフトウエアでサービスを行う電子計算機システムを実用化した。
 (2)従来、製造会社の異なる本体系装置と周辺装置の組合せ使用は困難であったが、I/Oインタフェースとして、インタフェース'69を初めて実用機に採用し、組合せ使用の可能性を実証した。この成果は、本インタフェースがISO TC 97/SC 13 のworking draft として採択される上で、大きな寄与を果たした。
 (3)マルチプロセッサ、ローカルメモリ、ページング、大容量主記憶装置、高性能入出力チャネルなど、最近の大形電子計算機のアーキテクチャの主流をなすものの多くを、我が国で初めて採用し実用システムとしてまとめあげた。
 (4)プログラム面では、オペレーティングシステムの記述用言語として、従来アセンブラが用いられていたが、プログラムの生産向上に有効な高級言語(SYSL)を開発して、その有用性を実証し、本分野の技術の開拓に寄与した。
 以上のように、本システムは超大形電子計算機のハードウエアおよび大規模なソフトウエアを効率的に統合し実用化したもので、その推進に当って関口良雄、岸上利秋、戸田巌の3氏は、プロジェクトの初期の段階から、計画の立案、遂行に中心的かつ指導的役割を果たし、多くの研究課題を克服することによって本システムの完成に尽力した。

 DIPS-1の実用化は、電子計算機の分野では例の少ない複数社の異なるハードウエアを駆使した大形プロジェクトの成果であり、我が国の情報処理技術の発展に貢献した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1975年、関口良雄氏、岸上利秋氏、戸田巌氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 関口良雅、高原靖、岸上利秋、DIPS-1システムの実用化の概要、1972年、電気通信研究所研究実用化報告、21巻、10号 (1972)
[2] 戸田 巌、データ通信技術の開発、1986年、電気通信研究所研究実用化報告、35巻、9号 (1986)
[3] 戸田 巌、松永俊雄、電電公社のコンピュータ開発、2003年、情報処理学会誌、44巻、6号 (2003)
[4] Y. Sekiguchi, O. Takahara, and T. Kishigami、Overview of the DIPS-1 system development、1972年、Electrical Communication Laboratory Technical Journal (NTT), Vol.21, No.10, 1972
[5] I. Toda、R&D of data communication technologies at NTT、1986年、Electrical Communication Laboratory Technical Journal (NTT), Vol.35, No.9, 1986
[6] I. Toda and T. Matsunaga、Computer research and development at NTT - a historical overview -、2003年、IPSJ Magazine, Vol.44, No.6 (2003)

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