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セルフォックファイバの研究開発

SELFOC光ファイバの世界初の新聞発表と国際会議発表

図1 SELFOC光ファイバの世界初の新聞発表と国際会議発表

世界初の光ファイバ通信実験装置

図2 世界初の光ファイバ通信実験装置

 レーザの出現以来、光通信の実用化を目標として良質の光伝送路を得るための研究が推進されて来た。この中で、まずガスレンズにおいて径方向に連続的に変化する屈折率分布、特に二乗分布をもつ収束性光伝送路に関して検討が加えられた。その後、不純物を除去し得ればガラスを用いて光の伝送損失を低減し得ることが明らかにされるに及んで、ガラスによる低損失の収束性ファイバーの研究が各方面で盛んに行われるようになって来た。この間にあって北野一郎氏と内田禎二氏とは、それぞれガラス製造技術と電子通信技術の立場から協力し、低損失の収束性ガラスファイバーSELFOC(セルフォック)の開発、商品化に成功した。

 セルフォックファイバーは、従来発表されている石英ガラスを用いる各種ファイバーと異なり、タリウムイオンを含んだ多成分系ガラスを使用している。ファイバー製造にあたっては、イオン交換技術を利用して径方向に連続的に変化する屈折率分布を実現し、この分布を制御することによって広帯域性を得ている。現在工業レベルでの連続生産方法が確立されており、多成分系ガラスの融点が石英ガラスのそれに比して低いことと相まって、量産性に優れている。現在伝送損失は20dB/km弱、伝送帯域は1Gbit/s.km以上の性質を得ているが、なお各種のレーザ技術や分析技術を駆使して低損失化、広帯域化の研究が進められている。

 このような性能をもつセルフォックファイバーの量産化成功は光通信実用化の可能性を飛躍的に高めるものであり、セルフォックのケーブル化などに残された技術的問題の解決と相まって、今後の発展に大きな期待が寄せられている。なおセルフォックファイバーは例えばF値の小さい可撓性および棒状微小レンズとして各種光学装置に応用されており、今後マイクロオプティクスの諸分野で広く賞用されるであろう。以上のようにセルフォックファイバーの開発が光通信を含むオプトエレクトロニクスや光学の諸分野に貢献した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1974年、北野一郎氏、内田禎二氏に業績賞を贈った。


文献

[1] Teiji Uchida, Motoaki Furukawa, Ichiro Kitano, Ken Koizumi, and Hiroyoshi Matsumura、Optical Characterisitics of a Light-Focusing Fiber Guide and Its Applications、1970年、IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.QE-6, No.10, October 1970
[2] T. Uchida (Invited Speaker) and S. Sugimoto、Micro-Optic Devices for Optical Communications、1978年、Fourth European Conference on Optical Communication, Genova, September 12-15, 1978
[3] Teiji Uchida、Micro-Optics: Its Birth and Development (Invited Paper)、1987年、First Micro-Optics Conference: MOC'87 Tokyo, October 15-16, Tokyo, 1987

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キーワード

セルフォックファイバ、光ファイバ、光エレクトロニクス
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