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C-60M同軸伝送方式の実用化

 同軸ケーブルによる長距離伝送方式は現在マイクロ波方式とならんで電電公社における市外基幹回線を構成しているが、今後電話需要の増大と高速データ伝送、高速ファクシミリ、テレビ電話等各種新サービスの導入が考えられ、これら市外伝送路の広帯域大容量化、経済化が強く要望されている。

 C-60M方式はこの要請に応えるために開発された大容量同軸伝送方式であって、2.6/9.5mm標準同軸ケーブルを用い、中継間隔1.5kmで1システム当り電話10,800通話路、またはテレビ電話36回線(1MHz帯域の場合)を長距離伝送し得るほか、高速データ、ファクシミリなど、多様な広帯域新サービスに対しても良好な回線品質を提供し得るようにせっけいされている。

 この方式の基礎検討は1962年(昭和37年)より電電公社を中心として行われ、約10年にわたる歳月と多くの関係者の協力により実用化に至ったものである。この間、1970年(昭和45年)には試作装置による現場実験が、福島-郡山間約61km、42中継の伝送路を構成して行われ、世界最初の60MHz同軸方式によるテレビジョン多重伝送に成功した。

 沢田新一郎氏(当時電電公社)、藤本和弘氏(日本電気)、関川瑞生氏(富士通)は、本方式の研究実用化を進めるグループの中心となって、多くの研究課題を克服し、世界に先がけて本方式の完成に尽力した。

 本方式の実現には中継器帰還量20dB以上を達成する回路設計技術、しゃ断周波数2GHz以上、2次ひずみ率58dB以上を示す高周波トランジスタの開発が鍵になっており、周波数確度10-8以上の主発振器、AGC用ゲルマニウム単結晶サーミスタ等、方式のみならず新しい回路および部品の開発が大きく寄与している。

 又伝送路の広帯域化に伴う中継数の増加と線路減衰量の増大によりレベル安定化の要求は極めて厳しいものがあるが、この問題にたいしては従来の温度応動形AGCに加え、新たに介在ケーブル心線を利用して制御電流をフィードバックする共通制御形AGCを併用して解決した。これにより画像多重伝送が初めて可能となったことは特筆すべき点である。

 この方式の実現に際し、我が国は常に技術先導的な役割を果たし、60MHz方式の実現性およびこれによるテレビジョン伝送について国際電信電話諮問委員会(CCITT)を通じ世界各国に有益な寄与を行った。又、各種新サービス情報に対し融通性をもつC-60M方式の実現は、さきに実用化された大局用電子交換方式とあいまって経済的な融通性のある通信網を形成し、今後の情報革新に貢献するものと期待される。

 この技術に対して、電子通信学会は、1974年、沢田新一郎氏、藤本和弘氏、関川瑞生氏に業績賞を贈った。

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同軸伝送方式、C-60M方式、通信方式
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