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高信頼度ロジウム接点リードスイッチ

リード片の接点断面図(a)とリードスイッチの構造(b)

図1 リード片の接点断面図(a)とリードスイッチの構造(b)

低負荷条件の動作試験における接触抵抗の推移

図2 低負荷条件の動作試験における接触抵抗の推移

10万回動作での故障リードスイッチの接点部分(550倍)(a)とX線マイクロアナライザーで検出された炭素(b)

図3 10万回動作での故障リードスイッチの接点部分(550倍)(a)とX線マイクロアナライザーで検出された炭素(b)

 通信分野において、リードスイッチは従来主として、クロスバ交換機などに使用されてきたが、低電力消費の電子回路の発達によって、機械部分と電子回路のインタフェースとして、リードスイッチが広く使用されるようになった。使用形式もコイルに代って、マグネットで駆動される場合が多くなり、又低負荷回路で用いる要請が多くなってきた。その結果スイッチの接点は従来のものよりも安定な、低いコンタクト抵抗を持ち、粘着を起さないものが必要となってきた。この条件に応えるものとして、硬度、融点など、接点の物理的性質のすぐれたロジウム接点の実用化が行われてきた。

 ロジウム接点は摩耗しにくいうえに、溶着性も少ないなどの利点を備えている反面、動作中にコンタクト抵抗が一時的に増大するという欠点がみられ、更に動作回数が進むと、コンタクト抵抗が減少する傾向を示す。この現象は、ロジウムの表面吸着や触媒作用に起因するもので、ロジウム表面に吸着された有機化合物がスイッチの動作でポリマーを形成し、接点間に介在してコンタクト抵抗を増大させるものである。

 横川俊樹氏、川喜田千尋氏はこのコンタクト抵抗増大のメカニズムを詳細に研究し、表面安定化処理方法の開発を行ってきた。

 従来、接点の障害といえば酸化が問題になり、一般論として酸化を避ける手段を講じていたが、両氏は、ロジウム接点表面の吸着作用、触媒作用を抑制するため、逆に酸素を導入して、コンタクト抵抗に変化を与えることなく、画期的で経済的な処理方法の開発に成功した。ロジウムめっきされたリード片を酸素ふん囲気中で450°Cに加熱すると、ロジウム金属表面にÅ単位の酸素の吸着層が形成され、有機化合物ふん囲気中でもほとんど吸着せず、熱や機械的摩擦にも安定な表面状態が作り出される。この表面層はリードスイッチのコンタクト抵抗に影響を与えず、極めて安定な電気的接触を長期間保つことができる。酸素処理を施したロジウム接点リードスイッチの低負荷動作試験では、接点めっきの摩耗による劣化が始まるまでコンタクト抵抗の変化がほとんどみられないことが確認された。

 以上のようにすぐれた特性を示す高信頼度ロジウム接点リードスイッチは、通信機器、制御機器、各種端末装置あるいは電子事務機などに使用され、その要求に十分応えており、継電器技術に貢献した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1974年、横川俊樹氏、川喜田千尋氏に業績賞を贈った。


文献

[1] Toshiki Yokokawa and Chihiro Kawakita、High Reliability Reed Switches with Rhodium Plated Contacts、1973年、Proceeding of 21st Annual National Relay Conference, Oklahoma State University, May 1,2 1973
[2] 横川俊樹、川喜多千尋、ロジウム接点リードスイッチの低負荷における接触抵抗安定化、1985年、電子通信学会論文誌、Vol.J68-C, No.2, pp.124-130, 1985/2
[3] Toshiki Yokokawa and Chihiro Kawakita、Stabilization of Contact Resistance of Reed Switch with Rhodium Contacts in Low Level Lord、1985年、IEICE Transaction, Vol.J68-C, No.2, pp.124-130. 1985/2
[4] Toshiki Yokokawa, Takao Yano, Chihiro Kawakita, Kunio Hinohara, and Akira Nagai、A Study on the Surface Deactivation Treatment of Rhodium-Plated Contact Reed Switches、1986年、IEEE Transactions on Component, Hybrid, and Manufacturing Technology, Vol.CHMT-9, No.1, March 1986

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リードスイッチ、ロジウム接点、ロジウム接点リードスイッチ、機構デバイス
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