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大局用電子交換方式の実用化

交換技術と文化圏間のグローバル移行(黎明期の識者たち)

表1 交換技術と文化圏間のグローバル移行(黎明期の識者たち)

交換技術と文化圏間のグローバル移行(実用化と文化圏)

表2 交換技術と文化圏間のグローバル移行(実用化と文化圏)

交換技術と文化圏間のグローバル移行(ミレニアムを超えた学術技術の移行)

表3 交換技術と文化圏間のグローバル移行(ミレニアムを超えた学術技術の移行)

 長年にわたり電電公社において研究実用化を進めてきた電子交換機は、D10形電子交換機として大局用が完成し、1972年(昭和47年)には銀座局、船場局等、東京、大阪、名古屋でサービスを開始し安定に動作している。本電子交換方式は電電公社の1973年(昭和48年)度から始まる第5次5か年計画中に全国主要都市の約400局に導入される予定である。

 電子交換方式の研究実用化は、かなり長い期間を要した大きなプロジェクトの一つであり、研究着手から数えると約20年、本格的推進体制がとられてから約8年の歳月を要している。

 現在、わが国の交換技術の主流はクロスバ交換方式であるが、電話に対する新しいサービス、画像通信、データ通信等高度化、多様化する公衆電気通信の分野での種々の新しい要望に対して、蓄積プログラム制御機能をもつ電子交換方式が果たす役割はきわめて大きいものと期待されている。

 今回、実用化したD10形電子交換機は、電子部品を大幅に使用するほか、小形クロスバスイッチや磁気ドラム等を新たに開発実用化して、小形化・大容量化するとともに、蓄積プログラム制御方式を採用しているため、ハードウエアの大きな変更なしにプログラムの追加・変更により、容易に新しいサービス機能を追加できることが大きな特色である。

 吉田庄司氏、伊吹公夫氏、式場英氏はグループの中心となってD10形電子交換機の研究実用化を推進し、外国の電子交換機に比しトップレベルにある方式を完成させた。

 その特色をあげるとつぎのとおりである。すなわち、方式構成としては通話路系と中央処理系間の境界を明確にして、入出力機器の付加を容易にするデータチャネルを設置している。また、新しく開発した部品として通話路に機械保持形の小形クロスバスイッチを、ファイルメモリとして浮動ヘッド磁気ドラムを、さらに小形化・高速化のため論理回路に飽和制御形論理集積回路を使用している。このように構成した電子交換機の所要局舎スペースが、従来の標準形クロスバ交換機に比べて架延長が約3分の1に縮少できるのも大きな特長である。

 電子交換機は、大規模なオンラインリアルタイムシステムで毎日24時間の連続運転が行なわれ、瞬時のサービス停止も許されないものである。したがって、使用部品と方式構成に適切な配慮がなされており、これまでの実績では目標を確実に上廻る信頼度を示している。

 情報化時代に対応する総合通信網の形成を推進する大局用電子交換方式の実用化は、わが国における交換技術の近代化と、今後の情報革新に貢献するものと期待される。

 この技術に対して、電子通信学会は、1973年、吉田庄司氏、伊吹公夫氏、式場英氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 伊吹公夫、電子交換の現状と将来、1970年、情報処理学会誌、Vol.11, No.5, 1970
[2] 伊吹公夫、情報処理理論、1990年、森北出版
[3] Z. Zhiliang, K. Ibuki, and S. Jinhua、Problem in the Standardization of Terminology for Computer Education and Multiplecultures、1997年、2nd International Conf. on TSTT797 Proceedings

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キーワード

電子交換方式、D10形電子交換機、交換システム
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