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PCM統合通信方式に関する研究

 PCM伝送の普及、およびディジタル技術の発展に伴い時分割交換および時分割伝送を統合してディジタル通信網を形成しようとするPCM統合通信方式は、つぎの世代の電子交換方式の有力な候補として、世界主要国において活発に研究ならびに実用化が進められている。

 この間にあって、猪瀬博氏を中心とした藤崎博也氏、斎藤忠夫氏らの研究グループは早くよりこの方式の将来性に注目し、PCM統合通信方式の構成上の各種の問題を解決するため、世界に先がけて数多くの考案を行ない、この分野における研究開発の国際的な推進力となっている。

 猪瀬博氏はPCM交換方式に不可欠の基本原理といわれているタイムスロット入換えの概念を1956年(昭和31年)に創案して以来、斎藤忠夫氏らとともにこの概念の導入による効率的なPCM接続回路網の開発に多くの貢献をなしている。すなわちまず⊿変調方式による交換機を試作してタイムスロット入換え方式の実現性を立証し、ついでタイムスロット入換え装置を使用した時分割3段、4段、5段の交換線群、時分割完全線群など、各種の時分割接続回路網の発明を行ない、これをトラヒック論的に評価して適用分野を明かにしている。

 またPCM統合通信方式の他の重要な課題である網同期については、3氏は多入力位相制御発振器を使用した相互同期方式の確立に寄与をなしている。この系はきわめて複雑な多重負帰還系であり、また網の構成も多岐にわたるものであるが、その静特性ならびに動特性について理論的解析を行ない、実用的な系として十分な特性を有することを世界に先がけて論証するとともに、試作装置によってその実現性を立証した。この方式はその後各国において追試検証されPCM統合通信方式における網同期の有力候補とみなされるに至っているが、さらに3氏はこの方式を一般化した10種類の相互同期方式を分類提案してその特性を明かにしている。

 さらに猪瀬博氏・斎藤忠夫氏らはPCM交換が大容量市外交換方式に適している点に着目して、その接続回路網の最適設計に関する研究を行ない、多重度の高いPCM伝送路を使用した時分割交換を経済的に実現するための部分アクセスパルスシフタの原理を創案し、これを直列PCM、並列PCM、ビット介挿PCMの角方式に適用した場合の最適設計を行なってその特性を明かにしている。

 これらの各研究成果は、わが国はもとより、欧米各国のPCM交換ならびにPCM統合通信方式の研究開発に大きな影響を与えており、この分野の技術の世界的発展に貢献した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1973年、猪瀬博氏、藤崎博也氏、斎藤忠夫氏に業績賞を贈った。

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キーワード

PCM統合通信方式、PCM交換方式、相互同期方式、通信方式、交換システム
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