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科学技術計算データ通信システム(DEMOS)の実用化

 情報化社会の進展に伴い、コンピュータの利用分野は著しく拡大され、社会各層へのコンピュータ普及の必要性はますます高まっている。このような社会的要請を背景に、電電公社はわが国で初めて不特定多数の利用者を対象としたタイムシェアリングシステムである科学技術計算システム(DEMOS=Dendenkosha Multiaccess On-line System)を実用化し、1971年(昭和46年)3月東京で、引き続き大阪で商用に供した。本システムは外国の諸システムと比しても種々の特徴を有しており、利用者はいつでも必要なだけ大形コンピュータのもつ高度の機能を経済的に利用できるコンピュータ・ユーティリティ時代の先駆けをなすものといえる。

 本システムの実用化に着手した1968年(昭和43年)当時において、タイムシェアリングシステムは大学・研究所等の実験システムとして試みられてはいたが、大形の商用システムを設計するためには電話網との結合、秘密の保護、経済性を満足しつつ信頼性を保つための方式設計、大規模なオンライン・ファイルシステムの制御等に関する多くの技術的問題を解決しなければならなかった。

 このような状況下で広田憲一郎氏は汎用共同利用システムの必要性、発展の方向を適確に判断し、その実用化の計画と推進にあたり指導的役割を果たした。またシステムの基本方式は美間敬之氏が中心となって検討し、システムの具体的設計は大前義次氏が中心となって行なった。

 基本方式に関し、まず本システムに用いる通信回線として当面電話交換網を利用することとし、番号計画、課金方式、回線網構成を決定した。利用者の識別、利用者間の秘密保護は端末機器のIDコード自動送出機能により解決した。つぎにサービスを提供する処理形式としてタイムシェアリング方式による即時処理とリモートバッチ方式による一括処理を併用することとし、両処理における互換性を保つ方式とした。さらに計算機との会話処理に必要なコマンド言語、メッセージ形式やオンラインプログラム言語の基本機能を決定した。

 これら基本方式に基づいたシステムの具体的な設計としては一括処理を予備CPUで行なうことにより一般の待期予備方式に比しスルー・プットの向上を計るとともに、即時・一括の両系をファイル・シエアにより一体化したシステムを実現した。さらに障害対策としてソフトウエアによるフェールソフト機能の実現、オンライン時間帯における装置の保守を可能とするなど商用システムに要求される信頼性、経済性、操作性などに考慮を払った。

 本システムはサービス開始後順調に稼動し、社会各層に利用され、本格的タイムシェアリング技術のわが国における先導的役割を果たした。

 この技術に対して、電子通信学会は、1972年、広田憲一郎氏、美間敬之氏、大前義次氏に業績賞を贈った。

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