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大型電子計算機用超高速大規模論理集積回路

超高性能電子計算機プロジェクトで開発された超高速論理LSI

図1 超高性能電子計算機プロジェクトで開発された超高速論理LSI

 通産省工業技術院の大型プロジェクト"超高性能電子計算機の開発"は、平均命令実行時間200ないし300nsという世界最高速のグループに属する超大型超高速計算機をわが国で開発し、国産技術の発展に寄与することを目的として、1966年(昭和41年)度から開始された。本技術である超高速大規模論理集積回路は、その中央処理装置用として開発されたものである。

 上記の電子計算機の所要性能を達成するためには、本装置用の論理回路の遅延時間を1ns程度に高速化し、かつこれに見合って計算機の布線遅延時間の短縮を計るため、回路を大規模集積化することが必要であった。

 この大規模論理集積回路の速度、消費電力、集積度などの基本仕様の決定、各開発段階での評価や研究方針の決定は電子技術総合研究所を中心に行なわれたが、垂井康夫氏は、工業技術院、電子技術総合研究所、メーカの関係者の密接な協力を得て、半導体技術の進歩と方向に対する適確な判断により、これとシステムよりの要請との調整をはかり、研究の計画と推進に指導的役割を果たした。必要な基本仕様をみたす大規模論理集積回路を開発、実現するにあたっては、モノリシック方式とするかハイブリッド方式とするかという基本方針の決定のほか、開発当時世界的にも例のなかった遅延時間1nsレベルの論理回路の設計、この高速化を実現するため、当時世界一流レベルである最小加工幅4μのホトレジ技術、0.8μ深さの拡散技術など精密プロセス技術の開発、当時としては例をみなかった線幅50μの多層配線基板技術や、16ボンディング端子を有するフェースダウンボンディング技術などの実装技術の開発など、多岐にわたる諸技術の総合を必要とした。また低価格、高信頼性の実現をも考慮して、各技術分野間の調整をはかり、全体として設計の最適化をはかることが必要であった。大矢雄一郎氏は開発当初ハイブリッド方式大規模論理集積回路の採用という基本方針決定、具体案立案ならびに、その後の開発研究遂行にあたり、前記諸問題解決に指導的役割を果たした。

 開発された大規模論理集積回路は、論理一段当りの遅延時間が約1.2nsで、集積素子数が最大460のものであり、実用に供されている大規模論理集積回路の中では世界的にも最高速度のものであり、本集積回路実現のための基幹技術である多層配線基板技術ならびに16端子を有するICチップのフェースダウンボンディング技術などと共に、世界の注目を浴びており、わが国の半導体技術向上に寄与した業績は非常に大きいといわねばならない。

 本大規模論理集積回路はまた平均命令実行時間250nsの超大型超高速計算機に実際に使用されつつあり、わが国の計算機技術向上に貢献している。

 この技術に対して、電子通信学会は、1971年、大矢雄一郎氏、垂井康夫氏に業績賞を贈った。

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キーワード

大規模論理集積回路、集積回路、VLSI設計技術
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