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全国地方銀行協会データ通信システムの実用化

 全国地方銀行データ通信システムは、日本電信電話公社が、データ通信サービスの第1号として1968年(昭和43年)7月1日より提供しているものである。本システムは全国62の地方銀行、約4,100店舗を結びつけたものであり、その規模の大きさは世界的である。本システムの主な特徴はつぎのとおりである。
 (1)多数銀行間を結ぶ全国網であって、世界的にも珍しいシステムである。
 (2)各地方銀行の既設の本支店間通信網は、そのまま使用し、これらの通信網を有機的に結びつけている。なお、各銀行の本支店間通信網で使用している交換装置および端末装置は多種多様である。
 (3)本システムにおいてはじめて、ISOコードに準拠した7ビットの情報処理交換用標準コードが、全面的に使用された。
 (4)全回線200ビット/秒の直通回線とし、各銀行には新たに開発した毎分1,200字の速度で動作するプリンタを設置している。従来の逐次式プリンタの動作速度は毎分375字ないし500字程度であった。外国機では最高888字で動作するものもあるが、使用できる活字の種類が88字である。本システムで使用しているプリンタは、128字まで使用できるので、カナ文字を使うわが国の現状に適合している。
 近年、経済活動の活発化、広域化に伴い為替量が急激に増大し、担当者は事務処理に忙殺されていた。一方、鉄道、航空機、道路などの交通網が整備され、また電話の自動即時化が進み、社会活動はきわめてじん速化してきているが、他銀行間為替は電報を使っても2時間ないし半日、郵便を使えば2日ないし3日、時には約1週間を要する状況であった。本システムの完成により、暗号を使う必要はなくなり、為替の処理は大幅に改善された。また、銀行内の事務処理を含めても、為替は全国どこでも約1時間で届くので、銀行の顧客に対するサービスは飛躍的に向上した。

 北原安定氏は、全国地方銀行協会より電電公社に直営サービスの依頼があった当初よりシステムの完成まで、本システムの設計責任者として尽力された。このような多数企業をむすぶデータ通信システムは、わが国にも前例がなく、有識者の間でもシステムの完成をあやぶむ人さえあった。この完成により、相次いで多数企業の共同システムが計画されるようになった。

 同氏の業績は単に本システムの実用化のみならず、わが国のデータ通信技術の発展に大きく寄与している。

 この技術に対して、電子通信学会は、1969年、北原安定氏に業績賞を贈った。

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キーワード

データ通信システム、全国地方銀行データ通信システム、コンピュータシステム
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