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国鉄座席予約自動化システムの実用化

 列車の座席・寝台を乗客に割り当てる作業は、本来一か所に集中して行なわれるべきものである。国鉄の場合、旅客からの予約申込みは全国各地から随時発生し、このような系にあっては管理の対象となる座席数が増加すると、その処理に要する要員や電話回線などの諸設備が急激に増してしまう。この問題に対処すべく、伊藤充江氏、大野豊氏、谷恭彦氏らは1956年(昭和31年)ごろより座席予約業務への電子技術の導入の研究を行ない、1960年(昭和35年)にはMARS-1と称する座席予約装置を完成した。この装置はただちに実用に供せられたが、以後3か年以上にわたりきわめて良好な稼働実績をあげた。

 1961年(昭和36年)からは全国的な規模に拡張されたMARS-101システムの開発を行ない、1964年これを完成し、ついでMARS-102を加えて今日(受賞当時)の国鉄座席予約システムを樹立した。

 MARS-1はわが国における電子計算機の実時間対応の嚆矢であり、当時の電子技術の中でもっとも進んだものであった。MARS-101および102はそのシステム規模、性能においてわが国のオンラインリアルタイムの情報処理システムとしてはもっとも先駆的なものであった。

 このような大規模なシステムの建設を成功に導くには、人間・機械関係を含むシステムの体系的な分析、システム内の待合せや信頼性についての理論的考案、多数の入出力に応じかつ連続運転に耐える中央処理装置の開発、大容量のファイルの構成とその制御方式の検討、多様な処理に能率よく対処できるソフトウェアシステムの確立、最適なデータ通信方式の決定とネットワークの構成、窓口に置く端末機器の人間工学的配慮、さらにプロジェクトチームの組織化等々きわめて広い範囲にわたる問題を解決しなければならない。三氏はそれぞれの領域においてすぐれた創造力とたゆみない努力によってこれらの諸問題を逐一解決し、たがいに協調して前記システムをつくりあげたものである。

 現在、国鉄の座席予約システムは毎日約15万におよぶ座席・寝台を取り扱い、システム稼働率も月平均99.9%を維持し、「みどりの窓口」におけるサービスは旅行客に好評を博している。

 三氏の業績は、たんに座席予約システムの実用化にとどまらず、わが国のオンラインリアルタイムの情報処理技術に大きく寄与している。

 この技術に対して、電子通信学会は、1968年、伊藤充江氏、大野豊氏、谷恭彦氏に業績賞を贈った。

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キーワード

座席予約システム、みどりの窓口、コンピュータシステム、情報ネットワーク、データ工学
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