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観測ロケットのテレメータ

 1957年(昭和32年)より1958年(昭和33年)に渉る国際地球観測年(IGY)の観測事業の一環として宇宙科学観測の重要性が当時わが国宇宙科学者の間で高まり、その要望に応じて1955年(昭和30年)東京大学生産技術研究所が行なったペンシル・ロケットの発射実験が、わが国観測ロケット開発の端緒となった。爾来十数年東京大学(生産技術研究所、1964年(昭和39年)より宇宙航空研究所)が中心となり各研究所、製造会社の協力を得て幾多の技術的困難を克服し、観測ロケットの開発に尽くして来たが、1964年(昭和39年)には当時世界有数の観測ロケット、ラムダを完成し、最高高度千キロを超える数多くの宇宙科学観測に成功した。さらに将来の科学衛星打上げを目標とする全重量40トンのミュー・ロケットの開発に努力している。

 この間斎藤成文、野村民也の両氏はその当初より観測ロケット開発事業の電子工学部門、すなわちテレメータ、レーダ、無線司令、ロケット制御、地上観測設備、地上発射管制設備等の全般にわたり、その研究実施について計画指導の任に当たり、観測ロケット開発上に重要な役割を果たして来た。

 特に観測ロケット用テレメータとしては過酷な宇宙環境に耐えるロケット搭載用テレメータ送信機ならびにその電子部品の開発研究に努め、耐加速度、耐振動性の高い電子管の実用化を経て、軽量小型、高信頼度の全トランジスタ水晶制御位相変調テレメータ送信機の開発に成功した。

 また観測ロケットの大形化にともない観測項目の多様化、観測距離の増大に対処するため十数チャネルの多重テレメータの並列使用、時分割方式併用により、観測ロケット一機当り数十項目の観測データを遠隔測定することに成功している。また地上受信空中線として4素子ヘリカル空中線の外に直径18米の大形パラボラ・アンテナを東京大学宇宙空間観測所に設置し、ロケット搭載のビーコン電波による自動追尾受信を行ない、数万キロ以上の超遠距離テレメータに不可欠の低雑音増幅装置について世界にさきがけてVHF帯パラメトリック増幅器の開発につとめ周波数負饋環受信方式の採用と相まって高感度テレメータ受信装置の実用化に成功している。

 さらに両氏はミュー・ロケットの開発と共に将来その打上げを計画されている科学衛星のテレメータに関しても従来の観測ロケット・テレメータの成果をもととして新しいPCMテレメータ方式の開発を行なっている。

 以上の如く、両氏は過去十数年に渉りその揺籃時代より一貫して観測ロケットのテレメータ技術に貢献し、わが国宇宙電子工学の発展に寄与した。

 この技術に対して、電気通信学会は、1966年、斎藤成文氏、野村民也氏に業績賞を贈った。

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キーワード

テレメータ、観測ロケット、宇宙航空エレクトロニクス
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