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宇宙通信設備の完成とそれによる実験の成功

 通信衛星を中継して行なう通信、いわゆる宇宙通信が将来世界通信網の広帯域通信幹線となることを予想して、国際電信電話株式会社では、いち早くこれに関する調査研究を開始し、米国における通信衛星の打上げ以降、世界的協力のもとに行なわれる宇宙通信実験に参加すべきであるとの方針をたてた。この方針にもとづき新川浩氏と宮憲一氏とは、この研究について全般計画をたて、指導に当たり、きわめて短期間のうちに茨城宇宙通信実験所を完成し、対米実験に成功した。

 両氏は国際電信電話株式会社研究所の研究員を指導して宇宙通信に使用される周波数と国内のマイクロ回線に使用されている周波数との相互の干渉をさけ得る場所として、茨城県十王町に実験所の場所を日本電信電話公社の協力を得て選定した。実験用施設としては、テルスター衛星による実験研究が遂行できるよう設計し、6GHzの大出力広帯域送信装置を東京芝浦電気株式会社、4GHzの低雑音高感度受信装置を日本電気株式会社、指令制御装置、追尾装置および直径20mの通信用空中線装置を三菱電機株式会社等の協力を得て、純国産技術によって宇宙通信実験設備を完成した。

 この宇宙通信実験設備は世界的にみても高性能のものであって、広帯域の宇宙通信実験に適するバランスのとれたものである。この実験所はテルスター衛星、リレー衛星の打上計画と歩調を合わせて完成するよう両氏は全般的企画を行ない、かつその研究指導のための力をつくした。

 この実験所の完成と並行して郵政省、日本電信電話公社、日本放送協会、国際電信電話株式会社で構成される宇宙通信連絡協議会の重要メンバーとして参加し、また米国航空宇宙局の主宰する地上局委員会に出席し、わが国の宇宙通信研究方針を定めるのに多大の貢献をした。

 その結果1963年(昭和38年)6月に完成した指令制御装置及び追尾装置を用いて、同年7月にはテルスター2号からのビーコン電波を捕捉して追尾実験を行ない、ひきつづいて大形空中線を含む送受信装置を完成させて同年11月には実験所として完成させた。その直後11月23日にはリレー衛星1号を中継する米国モハービー局からのテレビ電波の受信に成功し、1964年(昭和39年)3月のリレー衛星2号を中継する対米テレビ中継の成功の因を作った。

 ここにわが国も宇宙通信により世界通信網の一翼をになう見通しを得たものである。

 この技術に対して、電気通信学会は、1964年、新川浩氏、宮憲一氏に業績賞を贈った。

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