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視聴覚を中心とする生体情報処理に関する研究

 生体の優れた機能を学びこれを工学上の問題に適用するという考えの根源は古くはウィーナーのサイバネティクスの思想にあるが、1960年アメリカでバイオニクスシンポジウムが開かれて以来我が国でも関心が強まってきた。

 ほぼ時を同じくしてNHKの技術研究所では、放送に関連して視聴覚を総合的基礎的に研究する体制が確立し、更に1965年(昭和40年)には基礎研究所が独立し、この中で視聴覚の心理・生理・工学の総合的な研究が勢力的に続けられている。

 樋渡涓二氏は以上のような環境の中で視知覚の時間空間的な性質を同僚と共に測定解析し、更に視覚系の情報処理機構に関する生体工学的研究を早くから手がけた。

 すなわち視覚系を画像伝送系の末端器としてその性質を伝達関数の形で測定・解析する外、更にこれを発展させ神経生理学的知見を素材とし視覚系のモデルを構成しその入出力関係を視覚心理現象と照合するという構成的方法の研究を行なうことにより視知覚の基本的性質によって生ずる機構を推定した。

 樋渡氏はまた同研究所において室長あるいは所長として視覚聴覚に関する心理・生理・生体工学の総合的研究体制の確立に努力し、新しいバイオニクス分野の基礎を築くと共に、テレビなどの画像工学や、人工知能などの情報工学と人間の視聴覚との境界領域の開拓に貢献した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1974年、樋渡涓二氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 樋渡涓二、Spatial sinewave responses of the human visual system、1968年、Vision Research,8,3
[2] 樋渡涓二、網膜における時空間的情報処理過程のモデル、1970年、電通学誌,53-C,11
[3] 樋渡涓二、Visual perception and cognition of Kanji patterns、1983年、Trans. IECE, E66-1
[4] 樋渡涓二、視野制限下における図形・文字の認識、(英文)Visual pattern recognition by restricted visual field, Trans. IECE, E68-2、1985年、テレビ学会誌 39,5
[5] 樋渡涓二、文字・単語のディスプレイに対する知覚と認知、1986年、人間工学 22,5
[6] 樋渡涓二、連続的に提示されるパタン刺激の運動知覚、(英文)Perception of motion in successively displayed pattern stimululi, Electronics & Communication inJapan, Pt.1,71,9、1987年、電通論文誌 J70-A,1
[7] 樋渡涓二、視覚とテレビジョン、処女出版 当時このような専門書がなかったから長く引用された。、1968年、放送出版
[8] 樋渡涓二、生体情報工学、電子通信学会著述賞受賞、1971年、コロナ社
[9] 樋渡涓二、人間情報工学、NHK退職記念になった。、1979年、コロナ社
[10] 樋渡涓二、「みる」テクノロジー、テレビジョン学会著述賞、1985年、共立出版

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キーワード

視聴覚、生体情報処理、MEとバイオサイバネティックス、ニューロコンピューティング
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