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単一モード光ファイバコネクタ

2重偏心パイプによる調心プラグの原理図

図1 2重偏心パイプによる調心プラグの原理図

単一モード光ファイバコネクタの構造

図2 単一モード光ファイバコネクタの構造

単一モード光ファイバコネクタの外観

図3 単一モード光ファイバコネクタの外観

接続損失分布と着脱試験結果

図4 接続損失分布と着脱試験結果

光コネクタ構成部品の寸法,精度

表1 光コネクタ構成部品の寸法,精度

 単一モード光ファイバの低損失特性と、固有の広帯域特性を伝送方式に生かすためには、ファイバ相互間の接続技術が不可欠である。多モード光ファイバに比べて格段に細いコア径を有する単一モード光ファイバの相互接続には、極めて高い精度が要求される。本研究では、着脱性・互換性を有する低損失の単一モード光コネクタを世界で初めて実現した。

まず単一モード光ファイバコネクタにおける損失要因の解析と予備実験により、ファイバコアの軸ずれを0.8μm以下に抑える必要があることを明らかにした後、軸ずれを引き起す要因として、コア中心の検出、プラグ中心とコア中心の位置合せ、並びに二つのプラグの整列機構について検討を加え、高精度コネクタを実現した。

 まず光電顕微鏡の高性能化を図り、個人差なく0.2μmのコア位置検出精度を実現した。接続の基準となるプラグ外周の中心にコア位置を調心する手段として図1に示す2重偏心機構を採用し、ファイバコア中心のフェルール中心に対する偏心を0.4μm以下に調心することを可能とした。また、2個のプラグを結合する構造として、図2に示すように双方のフェルールを整列するスリーブにボールベアリング列を装着することにより、着脱の容易さとがたつきという相矛盾する条件の解決が図られた。本光コネクタの外観を図3に示す。

 スリーブのクリアランスや塑性変形にも考慮を払って表1に示す寸法・精度に設計し、実際に製作したコネクタプラグについて接続特性を測定したところ、図4に示すように平均0.46dB、最良0.3dB、最悪0.74dBという、多モードファイバ用コネクタに匹敵する低損失値を実現した。また、同じく図4に示すようにプラグ相互の回転を許容する条件で多数回の繰返し着脱を行った場合でも損失変動が少ないことや、温度変化に対しても変動が少ないことが確認された。

 本研究では、大容量情報伝送をはじめ多くの期待がかけられている単一モード光ファイバを実用に供するに際して懸案となっていた光コネクタを世界に先駆けて実現し、さらに同じ研究グループによる放電融着を用いた固定接続法の開発と相まって、単一モード光ファイバ利用の端緒となる技術が開発された。

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会(旧称:電子通信学会)は、1980年、清水 延男氏 , 土屋 治彦氏に「電子通信学会論文賞」 を贈った。


文献

[1] 土屋治彦、単一モード光ファイバの結合損失、1973年、信学会光・量子エレクトロニクス研資 OQE73-61
[2] 土屋、中込、清水、光ファイバコネクタ、1975年、昭50信学総全大, 914
[3] 中込、土屋、光ファイバの端面研磨、1976年、昭51信学総全大, 862
[4] H.Tsuchiya, H.Nakagome, N.Shimizu, and S.Ohara、Double eccentric connectors for optical fibers、1977年、Appl. Opt., 16, p.1323
[5] I.Hatakeyama and H.Tsuchiya、Fusion splices for single-mode optical fibers、1978年、IEEE J. Quantum Electron., QE-14, p.614

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キーワード

光伝送、光エレクトロニクス、機構デバイス、単一モード光ファイバ、光コネクタ
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