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光通信用相関伝送符号の先駆的提案

光ファイバ通信の開発が進められていた1970年代は、光の周波数が高いことからその伝送容量は実質上無限大と考えられていたが、最近の高密度WDMの進展などに伴いその帯域は有限であることが少しずつ意識されるようになってきた。そのため、2000年以降、多値符号やパーシャルレスポンスなど相関伝送符号が注目を集めるようになってきた。

 本研究では、まだ誰も光通信路の伝送容量の有限性を意識しなかった1970年代の終わりに、相関伝送符号の重要性を指摘するとともに、ショット雑音という信号依存性雑音が存在する光通信路に最適な相関伝送符号を提案したものである。この新しい伝送符号は、「拡張デュオバイナリ符号」と命名され、信号依存性雑音が存在する信号空間に適用できる大変優れた伝送符号方式である。このように本研究は、光通信技術において相関伝送符号を初めて導入した研究として、きわめて先駆的な研究として位置づけることができる。

 相関伝送符号は、伝送路帯域を有効に使い尽くすことを可能にする有用な伝送符号であり、この中で最も有名な符号がデュオバイナリ符号である。しかし、デュオバイナリ符号は、受信レベルが等間隔であるため、光ファイバ通信系のようにショット雑音等信号依存性雑音が存在する通信系では、上位2レベル間の誤り率が下位レベル間の誤り率に比べ大きくなるため、効率を下げる。本研究では、符号間干渉と信号依存性雑音の存在する伝送路と情報源の整合をはかるために、拡張デュオバイナリ符号を提案し、デュオバイナリ符号と同じ帯域を確保しつつ、同じ誤り率の元では送信平均電力を最小にする送信符号を構成することに成功した。なお、本伝送符号化の考え方は一般のパーシャレスポンスにも拡張可能である。

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会(旧称:電子通信学会)は、1981年、荒川 泰彦氏(東京大学) , 羽鳥 光俊氏(同左) , 瀧  保夫氏(同左)に「電子通信学会論文賞」 を贈った。

電子情報通信学会光通信システム研究専門委員会編集


文献

[1] 荒川泰彦、瀧 保夫、羽鳥光俊、光通信に適した狭帯域伝送符号の一構成:拡張デュオバイナリ符号の提案、1979年、電子通信学会論文誌 (B) J62-B,12, pp.1187-1194

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キーワード

光通信、信号空間、伝送符号、デュオバイナリ符号、パーシャルレスポンス
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