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ポアソン呼とあふれ呼の加わる待合せ系の解析法

 本解析法は、パケット網のような蓄積形交換網を対象とした網設計・解析の基礎理論として、ポアソン呼と前段からのあふれ呼がそれぞれ複数種類同時に加わる有限系長の待時系に対して、あふれ呼過程に断続ポアソン過程(IPP)近似を適用し、入力呼種別の平均待ち時間やあふれ率等のトラヒック特性の計算方法を提案したものである。

 具体的には、1種類のポアソン呼と2種類のIPP呼が加わる有限系長の待時系を解析対象のモデルとし、3種類の入力呼、およびこれらをまとめた呼びの各々に関して、平均待ち時間、あふれ率、およびあふれ呼量の平均、分散、平均値まわりの3次モーメントを与える計算式を導出する。

 この解析法の大きな特長は、呼種別あふれ呼量の高次モーメントが求まる点であり、これにより、着目している系からあふれた呼びが、さらに各々次段の系に向かう呼種別多段う回モデルや、複数の待時系間で、お互いにあふれ呼をう回させ合う、相互う回モデル等も解析可能となる。また、多数のポアソン呼やIPP呼が同時に加わる系に関しても、着目する入力呼以外の複数のポアソン呼とIPP呼を、それぞれモーメント一致法を用いて、単一のポアソン呼とIPP呼に置換えることにすれば、すべて、これら2種類の呼びと着目している入力呼からなる3呼種入力モデルに帰着でき、多数の入力呼の各々について、呼種別トラヒック特性を求めることができる。このように本解析手法は、きわめて一般的なものであり、その適用領域は非常に広い。さらに、本手法は,あふれ呼を断続ポアソン過程で近似する以外は何らの近似も行っていないため,極めて高い計算精度を与えるという長所も有する。

 このように、本解析法は,蓄積交換網の設計に対し、極めて有効な手段を与える。加えて、本解析法は、任意数の入力呼種が加わる即時系に対しても容易に拡張可能であり、即時系・待時系を包含する交換網に対する体系的な設計法確立のための有力な基礎を与えるものと期待される。

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会(旧称:電子通信学会)は、1983年、松本 潤氏(KDD)と渡辺 裕氏(同左)に「電子通信学会論文賞」を贈った。



=電子情報通信学会ネットワークシステム研究専門委員会編集


文献

[1] 松本 潤、渡辺 裕、あふれ呼の加わる待合せ系の解析法、1981年、電子通信学会論文誌B、Vol.J64-B No.6
[2] 松本 潤、渡辺 裕、ポアソン呼とあふれ呼の加わる待合せ系の解析法、1982年、電子通信学会論文誌B、Vol.J65-B No.4
[3] Jun Matsumoto and Yu Watanabe、Individual Traffic Characteristics of Queueing Systems with Multiple Poisson and Overflow Inputs、1985年、IEEE Transactions on Communications, Vol.COM-33, No.1 January 1985

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キーワード

情報ネットワーク、あふれ呼、断続ポアソン過程、呼種別トラヒック特性、多段う回
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