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ラピッドスタート型蛍光ランプの斑点現象の解析

透明導電性被膜を被着したラピッドスタート蛍光ランプの構造

図1 透明導電性被膜を被着したラピッドスタート蛍光ランプの構造

等価回路モデル

図2 等価回路モデル

斑点現象抑止効果の大きい管軸方向抵抗パターンの順序

図3 斑点現象抑止効果の大きい管軸方向抵抗パターンの順序

コンピュータシミュレーション結果と実験結果の比較

表1 コンピュータシミュレーション結果と実験結果の比較

[従来技術]

 始動補助体として、管内に酸化錫などの透明導電性被膜を被着したラピッドスタート型蛍光ランプは、長期点灯中に外観が黒褐色に変色したり、斑点が生じる等の、いわゆる「斑点現象」を呈することがあった。

 従来、この斑点現象を抑制するために種々の研究が行われてきたが、ほとんど実験的、断片的な検討であり、解析的、包括的な検討結果は見あたらなかった。



[解決すべき課題]

 コンピュータシミュレーションにより解析的、包括的に斑点現象発生のメカニズムを解明し、斑点現象抑止方法を提案することである。



[手段]

 透明導電性被膜を被着したラピッドスタート型蛍光ランプに特有の「管内放電(放電空間)—蛍光体—透明導電性被膜」という構造(図1)が一種のコンデンサ(以下、蛍光体コンデンサと称する)を形成することに着目し、多分割集中定数等価回路モデル(図2)を採用し、コンピュータシミュレーションを行い、解析的、包括的に検討して、斑点現象発生メカニズムを解明した。

 蛍光体コンデンサに、透明導電性被膜抵抗、蛍光体コンデンサのキャパシタンス、電源周波数、ランプ電圧波形、管内放電電位分布などにより決まる電流が流れ、蛍光体両端に電圧が発生する。この電圧は管内放電と透明導電性被膜間の電位差となる。一方、管内の最冷点となる管端付近に過剰水銀が凝集し蛍光体表面に付着する。蛍光体両端電圧が蛍光体の絶縁耐量を超えると、透明導電性被膜と凝集水銀の間で放電が起こり、この放電エネルギーにより、蛍光体が変色し、透明導電性被膜が変色し、斑点現象へと発展する。

 透明導電性被膜抵抗、蛍光体コンデンサのキャパシタンス、電源周波数、ランプ電圧波形、管内放電電位分布などの影響についてシミュレーションした結果と実験結果との比較を表1に示す。蛍光体コンデンサ両端電圧Vcの大小と斑点現象の発生しやすさとの間には非常によい相関がある。

斑点現象抑止のためには、例えば、図3に示すように、透明導電性被膜抵抗分布を管軸方向に一定として全抵抗値を大きくするのが有効である。その他、蛍光体膜厚を薄くする。多孔性の蛍光体膜にする。絶縁耐量の大きい非導電性被膜を透明導電性被膜上に被着するなどの方策が考えられる。



[効果]

 透明導電性被膜を持つラピッドスタート型蛍光ランプに発生する斑点現象について、

コンピュータシミュレーションにより解析的に検討した結果、その発生メカニズム、理論的背景を包括的に把握することができ、斑点現象の抑止方法に対する全体的な見通しを得ることができた。


 本研究の成果に対して、照明学会は、1999年、和田成伍氏(松下電工株式会社)と東方眞氏(同左)に「照明学会 論文賞」を贈った。


文献

[1] ラピッドスタート型蛍光ランプの斑点現象の解析、1997年、(社)照明学会誌(1997年第11号)
[2] Analysis for Speckle Phenomenon of Rapid-start Fluorescent Lamps with Internal Starting Aids、2000年、Journal of Light & Visual Environment ( Vol.24 , No.1, 2000)
[3] ラピッドスタート形蛍光ランプのアバタ現象の解析、1983年、照明学会全国大会(1983年)
[4] 蛍光ランプの軸方向管内電圧の間接測定法、1984年、松下電工技報(1984年 No.29)

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ラピッドスタート形、透明導電性被膜、斑点現象、コンピュータシミュレーション、蛍光ランプ
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