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自動車電話方式の開発

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  • 写真なし松坂 泰
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800Hz帯自動車電話方式の構成

図1 800Hz帯自動車電話方式の構成

800MHz帯自動車電話方式の概要

表1 800MHz帯自動車電話方式の概要

 社会活動の多様化、高度化につれて、特に陸上の移動体として最も活動している自動車を対象とした電話サービスを利用したいという要望は増大していた。この需要に応ずるため、経済的でかつ逼迫する周波数事情に対処した方式をいかに実現していくかが移動通信技術に課された命題であった。

 800MHz帯自動車電話方式は、自動車が果たしている社会的役割および自動車電話の効用を考慮し、加入者容量が大きく、周波数利用率が高く、全国的な規模でサービスできる全自動化した方式を目標に開発したものである。

 この方式の研究実用化は、昭和44年より電電公社を中心に進められ、10数年にわたる歳月と多くの関係者の協力により実用化されたもので、昭和54年12月に東京でサービスを開始し、逐次全国へと拡大されつつある。

 本方式の実用化には、数多くの新技術が開発されているが、主なものは次のとおりである。
(1) 陸上移動通信用新周波数帯の開拓:方式設計上最も重要である電波伝搬特性について、地形・地物の影響に関する伝搬損推定法、電界強度の瞬時変動特性と信号伝送特性との関係を明確にした。この結果800MHz帯が陸上移動通信に使用できることを明らかにした。
(2) 周波数の有効利用技術:サービスエリアを多数の小無線ゾーンでカバーし、複数の互いに隣接しない無線ゾーンで、同一周波数を反復して使用する小無線ゾーン構成の技術を確立し、1無線チャネル当りの使用効率を向上させた。又、800MHz帯で狭帯域化方式を実現すると共に、多チャネル共用による周波数有効利用技術を確立した。
(3) 無線回線制御法:多数の自動車電話移動機に対し能率よくかつ高信頼度で、通話に使用する無線チャネルを接続処理する技術、自動車が通話中に他の無線ゾーンヘ移行する場合に通話を継続させるためのチャネル切換技術等、無線回線制御技術を確立した。
(4) 移動体交換方式:追跡交換制御、ホームメモリ局に設けられた加入者メモリにより、加入者データの管理を行う遠隔ファイルアクセス方法等を開発しD10型交換機にこれらの機能を追加し、一般電話網における交換機能と異なる移動体交換技術を確立した。
(5) 各種装置、機器開発:多チャネル共用基地局アンテナ系、多チャネル切換機能を有する移動機、複局制御・回線設定機能を有する無線回線制御装置、全固体化した基地局送受信装置の設計法・製造技術を確立した。
 これらの新技術は、近い将来サービスが期待される各種移動通信方式開発に活用し得る先導的ものである。

 以上のように、世界で初めて大容量で広域サービスする自動車電話方式を開発したことと併せて、移動通信技術の向上に大きく貢献したものであり、その業積は極めて顕著である。

                 =電子情報通信学会無線通信システム研究専門委員会編集=

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、1983年、伊藤 貞男(当時日本電信電話公社)、松坂 泰(当時日本電信電話公社)、鎌田 光帯(当時日本電信電話公社)に業績賞を贈った。

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キーワード

自動車電話、アナログFM、小ゾーン構成、チャネル切り替え、800 MHz帯
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