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超電導エネルギー貯蔵システム(SMES)の研究および開発

  • 写真なし伊藤 猛
  • 写真なし戸井田 裕俊
  • 写真なし藤田 秀紀
超電導エネルギー貯蔵の原理

図1 超電導エネルギー貯蔵の原理

主な試験項目と実験回路の例

図2 主な試験項目と実験回路の例

SMES各装置の外観

図3 SMES各装置の外観

装置仕様

表1 装置仕様

1.超電導とは

 ある種の材料の温度を下げていくと、その電気抵抗がゼロとなり、電気をロスなく流すことができる。この現象を超電導という。


2.超電導による電力貯蔵

 超電導状態では超電導線に電気抵抗がないことから、超電導線でコイルを作り、そこに電気を流し続けることで電力を貯蔵することができる。


3.開発した装置の概要
(1)超電導コイル
 極細のニオブ・チタン超電導線を5km用いたコイルを製作した。このコイルは真空断熱層、液体窒素層からなる魔法瓶構造の容器の中で、液体ヘリウムにより温度が4.2Kに冷やされ、超電導状態となっている。これに定格電流1000Aを流せば、貯蔵エネルギー1MJ(300Wの電熱器を1時間使えるエネルギー)の超電導コイルとなる。
(2)電力変換装置
 電力系統の電圧は交流であり、超電導コイルにエネルギーを貯蔵するためには直流に変換する必要がある。GTOサイリスタを用いた交直変換装置により、この変換をスムーズに行うことができるようになっている。
(3)制御装置
 32ビット計算機を用い高速な制御とデータの収集記録を行うことができる。


4.試験結果

 中部電力電力技術研究所にある模擬送電線装置に開発したSMESを接続し、電圧変動の抑制効果や負荷変動の平滑化、電圧不安定の防止、周波数変動の抑制、電力系統の安定度向上などの検証実験を実施した。SMESの有効電力の制御として、周波数偏差制御を採用すると、周波数変動の抑制、多機電力系統の安定化、瞬動予備力のいずれにも有効であることが確認された。

 本研究の成果に対して、電気学会は、1990年、伊藤 猛(中部電力(株))、戸井田 裕俊(中部電力(株))、藤田 秀紀(中部電力(株))に電気学術振興賞(進歩賞)を贈った。

文献

[1] 藤田秀紀 他、超電導エネルギー貯蔵装置による電圧崩壊防止の検証、1990年、電気学会論文誌B p.880-886
[2] 杉本重幸、Power system control experiments using 1MJ SMES、1993年、Fusion Engineering and Design, Vol.20 p.389-398
[3] 藤田秀紀 他、母線電圧の周波数偏差に着目した超電導エネルギー貯蔵装置による多機系統の動態安定度向上制御、1994年、電気学会論文誌B 2号

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キーワード

超電導、電力貯蔵、電力品質、超伝導・超電導、電力貯蔵、電力品質
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