1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号592)

500kVGIS内部絶縁診断装置の開発実用化

  • 写真なし田邊 忠夫
  • 写真なし前田 忠就
  • 写真なし荒畑 吉邦
外被電極診断装置の外観

図1 外被電極診断装置の外観

外被電極診断装置の検出原理

図2 外被電極診断装置の検出原理

外被電極診断装置のブロック図

図3 外被電極診断装置のブロック図

外被電極診断装置の感度特性

図4 外被電極診断装置の感度特性

振動・加速度診断装置の外観

図5 振動・加速度診断装置の外観

振動・加速度診断装置のブロック図

図6 振動・加速度診断装置のブロック図

振動・加速度診断装置の感度特性

図7 振動・加速度診断装置の感度特性

 GIS(ガス絶縁開閉装置)は、しゃ断器、断路器などの開閉器を金属の密閉容器内に収納して、SF6ガスで絶縁したもので、非常に信頼度の高い機器であるが、万一異常が発生して事故に至れば、供給支障・瞬時電圧低下等、系統に大きな影響を与えるため、事故未然防止に万全の対策を講じる必要がある。

 過去のGISにおける絶縁破壊事故の原因を調査分析してみると、絶縁破壊に至る前の前駆現象として微小な部分放電が発生しているものと考えられている。したがって、この部分放電を検出することができれば内部異常を検出でき、事故を未然に防止することが可能となる。しかし、現実には、現地における気中部分コロナ放電、放送波等の外部ノイズとの識別が困難であり、これが診断装置の検出感度を低下させ、その適用を困難にしている。そこで、三菱電機㈱と関西電力㈱は、各形態別電気所における外部ノイズの実測分析およびモデル実験による部分放電の周波数帯域の検討に取り組み、これらの結果をもとに、①GIS接続部に発生する電位差を検出する方式(外被電極法)、②GISタンク壁の振動加速度を検出する方式(振動・加速度法)の2方式を用いた診断装置を開発実用化した。
(1)外被電極法
 GIS内部で発生した部分放電パルスが、GIS内部を進行波として進む場合、絶縁取付部などのサージインピーダンスの不連続部分に電位差が発生する。この電位差を絶縁取付部両側に取り付けた電極により検出する方式である。図1に診断装置の外観を、図2に検出原理を、図3にブロック図、図4に感度特性を示す。

 電極は絶縁フィルムで絶縁され、容易にタンクに取り付けられる構造であるとともに、絶縁取付部を商用周波で短絡しないよう配慮されている。この電極とインダクタンスで検出部を構成しており、検出された電位差は20~40MHzの減衰振動波形に変換された後、検波されA/D変換される。検出電位差を20~40MHzに共振させるのは、既設変電所におけるノイズ実測の結果で20~80MHz帯が最もノイズの低い領域であることが判明したため、この領域に共振させたものである。この検出装置の特徴は、次のとおりである。

 ①電極を絶縁取付部両端に取り付けるだけで簡単に測定できる。

 ②部分放電を電気信号としてそのまま検出するので、放電電荷量と検出装置出力との関係は放電の位置や種類に応じて変わることがなく一定である。

 ③測定結果がディジタル表示されるので読取誤差がなく、波形も観測できるので判定が容易である。

 ④検出帯域を現地ノイズの少ない帯域に設定すること、および入力を差動増幅することにより、外部ノイズの影響を低減させ、高感度測定ができる。
(2)振動・加速度法
 GIS内部に部分放電が発生すると、タンク壁に振動に伴う微小な弾性波が生じる。この弾性波をタンク壁に取り付けた振動・加速度センサで検出する方式である。図5に診断装置外観を、図6にブロック図を、図7に感度特性を示す。この検出装置の特徴は次のとおりである。

 ①センサをタンク外壁に取付けるだけで測定ができ、検出装置の取り扱いも簡単であり熟練を要しない。

 ②測定結果がディジタル表示されるので、読取誤差がない。

 ③センサの取付場所を変えることにより、部分放電の発生場所の標定も可能である。

 ④部分放電を伴わない微小金属片の存在も検出できる。

 ⑤入力信号レベルの判別、波形の平均化処理により信号とノイズの識別ができ、高感度測定ができる。

 両方式ともに持ち運びが容易な可搬式とすることができ、現地における定期点検、機器据付時の健全性確認に活用することでGISの信頼度向上に大きく貢献するものであった。

 本研究の成果に対して、電気学会は、1989年、田邊 忠夫(関西電力㈱)、前田 忠就(関西電力㈱)、荒畑 吉邦(三菱電機㈱)に電気学術振興賞(進歩賞)を贈った。

文献

[1] 前田忠就、川越英二、広兼昇一、加藤賢治 他、GIS外部診断技術の開発(外被電極診断装置の改良)、1986年、電気関係学会関西支部連合大会
[2] 前田忠就、川越英二、村瀬成一、鮫島 勉 他、GIS外部診断技術の開発(振動検出法装置の改良)、1986年、電気関係学会関西支部連合大会
[3] 川越英二、興梠 秀隆、小林誠治、沼 芳伸 他、GISの絶縁診断技術、1987年、開閉器保護装置研究会

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

電気・電力
(電力輸送)
電気・電力
(電気機器)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

1989
昭和天皇が崩御する。
1989
消費税がスタートする。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

信頼性、変電、ガス絶縁開閉装置、内部診断、GIS、変電、開閉保護装置
Page Top