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世界初の可変速発電システム実用化

  • 写真なし杉本 修
  • 写真なし湊 正博
  • 写真なし実松 俊弘
成出発電所 世界初の可変速機の回転子 P=22MVA

図1 成出発電所 世界初の可変速機の回転子 P=22MVA

成出発電所1号機の設備概要

表1 成出発電所1号機の設備概要

 水力発電においては、発電機として基本的に同期機が使用されており、その回転子を直流電流で励磁することにより一定回転速度での運転を行っている。この発電機の回転子の構造を変えて三相交流で励磁し、回転速度を変化させて運転する可変速発電方式にすれば、電力系統の周波数調整能力や安定度および水車効率の向上などが可能となる。この新しい方式は、電力システムの品質向上という面で大きな効果が期待できるため、世界的に研究が進められていた。

 一方、関西電力では、原子力発電の比率が高まることにより、特に夜間の周波数(電力)調整容量の不足が予想され、この対策の一つとして、夜間に揚水発電所の揚水電力(負荷)を制御できる可変速揚水発電システムが提案され、研究されていた。しかし、揚水発電機は通常200MW~300MWを超える高速大容量システムとなるため、可変速化するためには技術的に解決しなければならない項目が多く、特に信頼性の高いシステムの実現が課題となっていた。

 そこで、関西電力は、そのシステムの実現を目指し、成出発電所に22MVA可変速発電システムを実証プラントとして導入した。発電機は突極形から円筒形に改造され、水車は既存品がそのまま使用された。励磁装置は、72アームサイクロコンバータで構成され、±3Hzの低周波交流励磁を可能とした。これにより、回転速度範囲は同期速度200(min-1)の上下5%となった。

 現地据付に先立ち工場において、可変速発電システムの各構成機器(発電機、サイクロコンバータ、制御装置、保護装置、変圧器、しゃ断器など)の各種組合せ試験が実施され、本機は昭和62年3月に現地据付を完了した。同年4月からは実系統における可変速機の安定化、系統への影響等を確認する各種試験が実施され、同年6月に営業運転を開始した。

 本機は、発電システムの性能、信頼性を水路及び電力系統と実連系した上で検証、確認した世界初の可変速水力発電プラントとして大きな意義があった。

 本研究の成果に対して、電気学会は、1989年、杉本 修(関西電力(株))、湊 正博(関西電力(株))、実松 俊弘((株)日立製作所)に電気学術振興賞(進歩賞)を贈った。

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水力発電、回転機、電力系統、水力発電、回転機、電力系統
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