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地球観測画像情報の実時間処理システム

  • 写真なし高橋 正展
  • 写真なし長谷川 幸雄
  • 写真なし井原 廣一
我が国の観測領域

図1 我が国の観測領域

画像情報処理システムのハードウェア構成

図2 画像情報処理システムのハードウェア構成

画像情報処理システムのソフトウェア構成

図3 画像情報処理システムのソフトウェア構成

画像ミックスによる比較

図4 画像ミックスによる比較

複合計算機システムによる高速画像処理方式

図5 複合計算機システムによる高速画像処理方式

画像情報処理システムの要求条件

表1 画像情報処理システムの要求条件

 近年、地球資源の有効利用や環境保全が世界的な問題として提起されているが、人工衛星から地球表面を遠隔探査し、この観測データを利用することがこれらの問題を解決するための重要な手段として注目されている。我が国においてもこのような地球観測システムの研究開発に資するため、当面米国の地球観測衛星ランドサットの観測データの直接取得(図1)・利用を目的として、地球観測センターが昭和54年4月埼玉県比企郡鳩山村に宇宙開発事業団により建設された。

 本センターは受信・記録・処理・出力作成の各サブシステムより構成(図2,図3)され、最終成果物として計算機適合テープ(CCT)及びフィルム(潜像)が作成される。このトータルシステムの開発・実用化は約5年にわたる多くの関係技術者の協力により達成された。

 本システムの中核的技術課題は衛星から送信される観測データに混入した画像ひずみの高速・高精度除去にあった。高速除去に対しては、画像処理能力の評価尺度として衛星画像MIX(図4)を導出し、一方、ひずみ補正の高精度化のために、従来の多項式モデルに代る衛星モデルによる画像ひずみ補正方式を開発した。これらを基盤として実用化したシステムは、ミニコン級の制御用計算機を中心に、衛星データの倍長演算をフローティングプロセッサに、画像データの高速演算をアレープロセッサにそれぞれ機能分担させた複合システム(図5)である。

 ランドサットから送信される原始画像データは最大37kmの誤差と50MBITE以上のデータ量を持ち、これを本システムに入力した場合、幾何学的ひずみ補正の精度は粗処理で1km以下、16個の地上基準点を用いた精密処理では80m以下に抑えられ、1シーン5波長帯の観測画像データを入力し、2,400ft磁気テープ2巻に出力するまでの処理時間は30分以下である。これらの性能は現在世界水準を超えるものとして各国より高く評価されている(表1)。

 本システムを中心として完成された地球観測センターは昭和54年7月実運用開始後現在まで順調に稼動し、既に多量のランドサット画像データが取得され、幅広い利用者層に提供されつつある。これによって我が国の人工衛星利用リモートセンシング技術の急速な進展と、地球観測画像データの実利用面に対する貢献ならびにその利用分野の一層の拡大が期待されること極めて大なるものがある。

            =電子情報通信学会宇宙・航空エレクトロニクス研究専門委員会編集=

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、1980年、高橋 正展、長谷川 幸雄、井原 廣一に業績賞を贈った。

文献

[1] 小坂満隆、小村文伸、井原廣一、山本康成、衛星画像の幾何学的ひずみ補正の精度向上に関する一考察、1983年、電気学会論文誌、昭和58年6月号Vol.103-C
[2] 井原廣一、山本康成、地球観測衛星画像の精密補正技術、1981年、電気学会誌101巻4号
[3] H.Ihara et al、High Precision Modeling of LANDSAT Imagery Distortion、1980年、IGU Communication on Geographic Data Sensing and Processing
[4] 土屋ほか、画像による人工衛星の位置・姿勢推定とそれによる幾何学的ひずみ補正について、1976年、第2回リモートセンシングシンポジウム
[5] 本間弘一,古村文伸、井原廣一、衛星画像のひずみ補正における地上標準点の選定の影響、1977年、第3回リモートセンシングシンポジュウム
[6] 高橋ほか、幾何学モデルを用いた衛星画像の精密レジストレーション、1979年、第22回自動制御連合講演会
[7] 高橋ほか、幾何学モデルを用いた衛星画像の精密補正、1979年、第22回自動制御連合講演会
[8] 高橋ほか、LANDSAT一貫画像情報処理システムの開発、1980年、第11回画像工学コンファレンス
[9] 高橋ほか、地球観測画像情報システム、1980年、日立評論62巻3号
[10] 井原廣一、小村文伸、ランドサット精密画像処理技術、1980年、電気学会全国大会S-13-3

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キーワード

地球観測、画像処理、実時間、ランドサット、システム
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