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テレビ信号フレーム間符号化装置の研究開発実用化

  • 写真なし金子 尚志
  • 写真なし石黒 辰雄
  • 写真なし飯沼 一元
テレビ信号のフレーム間符号化伝送装置(NETEC-6/16)

図1 テレビ信号のフレーム間符号化伝送装置(NETEC-6/16)

テレビ放送プログラム伝送用符号化装置(NETEC-22H)

図2 テレビ放送プログラム伝送用符号化装置(NETEC-22H)

テレビ放送プログラムの統計多重衛星中継用伝送システム

図3 テレビ放送プログラムの統計多重衛星中継用伝送システム

実時間動ベクトル検出モジュール

図4 実時間動ベクトル検出モジュール

動ベクトル検出モジュール用プロセッサボード

図5 動ベクトル検出モジュール用プロセッサボード

 テレビ信号の帯域圧縮伝送は1950年代からの長年の技術課題であり、また、来るべき高度情報化社会における新たな画像通信網の構築に是非とも実現されねばならない重要課題である。テレビ信号の画面(フレーム)間の相関が高く、その冗長度を削減することにより大幅な帯域圧縮が期待できるとの考えは早くから知られていた。1960年代後半から精力的に進められたテレビ電話の開発は、その実用化は中止されたが、1MHz(白黒)テレビ電話信号を1.5Mbit/sで伝送するフレーム間符号化方式の有効性を広く認識させた意義は大きい。

 本研究開発では、テレビ会議や放送プログラム中継等衛星通信分野における標準方式(4MHz)カラーテレビ信号伝送の重要性を認識し、フレーム間符号化技術の開発に努め、テレビ会議やテレビ放送プログラム伝送等の動画映像通信の実用化促進に大きく貢献した。

 1974年 1974年のNTSCカラーテレビ信号の6.3Mbit/sフレーム間符号化実験と翌年の同CODECの試作、1976年の放送プログラム伝送用20Mbit/s CODECの開発は世界に先駆ける研究として注目され、また、国際学会の論文賞を授与される等高く評価された。これらの試作装置による実証は、北米における実用テレビ会議システムの開発を促し、3Mbit/s、更には1.5Mbit/s伝送の実用装置の開発として結実した。

 フレーム間符号化の符号化能率を一層向上させる手段として動き補償方式が有効であることは早くから示唆されており、シミュレーション、実験による評価検討が多くの機関で行われ、その効果が有効なことは確かめられた。しかし、そのかぎとなる動き検出に必要な計算量は膨大であり、テレビ信号速度でのリアルタイム処理を実用規模の装置で実現することは困難視されていた。この課題に対し、同君等は最適動ベクトル検出方式を最適化アルゴリズムおよびそれを実現するハードウェアアーキテクチャの両面から検討を進め、従来の常識を覆す実用可能なものとして実現することに成功した。この結果は、1.5Mbit/s伝送の画品質の大幅な改善と更に低ビットレートの伝送の可能性を実証し、フレーム間符号化技術を更に一歩前進させると共に研究開発の方向を示したものとして高く評価される。

 実用化されたNETEC装置は、高度な独創的技術を基として開発されたものであり、現在進められている方式標準化への貢献、国内外における各種のテレビ会議システム、企業内教育システム(例えば、全米をカバーする衛星によるソフトウェア教育システム)等多くの実用システムに導入される等、動画映像通信の実用化を促進したものとして、その業績は極めて顕著である。

電子情報通信学会通信方式研究専門委員会編集

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、1986年、金子 尚志、石黒 辰雄、飯沼 一元に業績賞を贈った。

文献

[1] T. Ishiguro, K. Iinuma, Y. Iijima, T. Koga, and・H. Kaneko、NETEC-system :interframe encoder for NTSC color television signals、1975年、Proc. 3rd Int. Conf. Digital Satellite Commun.
[2] T. Ishiguro, K. Iinuma, Y. Iijima, T. Koga, S. Azami, and・T. Mune、Composite interframe coding of NTSC color television signals、1976年、Proc. IEEE Nat. Telecommun. Conf.
[3] T. Koga, Y. Iijima, K. Iinuma and T. Ishiguro、Statistical analysis of NETEC-22H system performance、1979年、Proc. IEEE Int'l Conf. Commun., vol. 2
[4] H. Kaneko and T. Ishiguro、Digital Television Transmission Using Bandwidth Compression Techniques、1980年、IEEE Communications Magazine, July
[5] T. Koga, K. Iinuma, A. Hirano, Y. Iijima, T. Ishiguro、Motion-compensated interframe coding for video-
conferencing、1981年、Proc. IEEE Nat. Telecommun. Conf.,
[6] T. Ishiguro and K. Iinuma、Television Bandwidth Compression by Motion- compensated Interframe Coding、1982年、IEEE Communications Magazine, November
[7] 古閑敏夫 飯沼一元,飯島征彦,丹羽邦彦、動き補償フレ-ム間・フレ-ム内適応予測と
  エントロピ-符号化、1985年、テレビジョン学会誌,Vol.39, No.10,
[8] T. Koga, N. Niwa, Y. Iijima, and K. Iinuma、Low Bit Rate Motion Video CODEC for Teleconferencing、1987年、Optical Engineering, SPIE Press, vol.26, No. 7
[9] T. Koga and M. Ohta、Entropy coding for a hybrid scheme with motion
compensation in subprimary rate video transmission、1987年、IEEE Journal on Selected Areas in Commun., vol.SAC-5, No.7

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キーワード

画像工学、民生機器、動画映像通信、帯域圧縮伝送、フレーム間、テレビ会議、放送プログラム中継、企業内教育システム、動き補償、NETEC
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