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我が国最初の管路直接水冷方式による大容量OFケーブル線路の完成

  • 写真なし長濱 一郎
  • 写真なし目見田 信弘
  • 写真なし長崎 昌司
信貴敷津線の概要

図1 信貴敷津線の概要

管路断面図

図2 管路断面図

管路直接水冷線路の送電容量

図3 管路直接水冷線路の送電容量

冷却系統図

図4 冷却系統図

ポンプ室

図5 ポンプ室

オフセット・リミター方式の原理図

図6 オフセット・リミター方式の原理図

管路口防水装置兼伸出ストッパー装置

図7 管路口防水装置兼伸出ストッパー装置

低熱抵抗接続箱

図8 低熱抵抗接続箱

管路口

図9 管路口

冷却設備の仕様

表1 冷却設備の仕様

 電力ケーブルは連続あるいは繰り返して通電した場合、その発生損失によってケーブル内温度が上昇して絶縁体の寿命を損なう恐れがある。ことに高電圧、大電流の送電にとって、これが大きな問題であった。ケーブル内の導体温度が上昇しても、ケーブル絶縁体を損なうことのない送電容量としては、1960年代初めは154kV地中送電線路でせいぜい1回線250MVAであった。1960年代半ばから始まった間接水冷方式の併用でも送電容量の増加は約30%にとどまっており、倍増技術の開発が強く望まれていた。

  そんなとき注目されたのがOFケーブルを水で冷却する方式(管路直接水冷方式)で、1967年に開発実用化研究がスタートし、1978年に関西電力(株)の信貴敷津線で国内初の500MVA送電が実現された。

 この開発研究で得られた理論や装置には、以下のようなものがある。
(1)従来難題とされていた多条数ケーブル系の冷却理論と電算機プログラム
(2)従来の2倍に及ぶケーブル伸縮に対応するオフセット・リミター方式図6参照)
(3)マンホール内保守作業を考慮して非冷却とした500MVA用低熱抵抗接続箱(図8参照)
(4)マンホール内管路口でケーブルを摺り合わせ、冷却水圧3kg/cm2に耐える止水装置
 この冷却方式の適用で架空送電線と容量的に1対1の対応が可能となり、地中線ルート数を減らすことができた。これは都心での用地問題の解決や建設費の節減、省資源化にもつながり、さらに220~500kV級への適用も容易になるなど、当時の世界最先端の技術であった。

 本研究の成果に対して、電気学会は、1980年、当時、世界最先端を行く開発研究を進めた長濱 一郎(関西電力(株))、目見田 信弘(関西電力(株))、長崎 昌司(住友電工(株))に電気学術振興賞(進歩賞)を贈った。

文献

[1] I.Nagahama, N.Meita, S.Nagasaki, N.Noda, H.Inoue、COMPLETION OF DIRECT DUCT WATER COOLED 154kV SELF-CONTAINED OIL-FILLED CABLE SYSTEM、1979年、IEEE PES Summer Meeting, Vancouver, July1979, F79609-9
[2] 長濱一郎、目見田信弘、中西豊、堀川常夫、長崎昌司、野田信雄、古川晃平、井上均、信貴敷津線管路直接水冷154kVOFケーブル線路の完成、1979年、昭和54年電気学会全国大会No1161
[3] 管路内ケーブル冷却方式による大容量地中送電線路の冷却効果の検討、1975年、電気学会誌 昭和50年95巻8号 50-B49
[4] 目見田信弘、名切卓男、日柳俊彦、堀川常夫、長崎昌司、野田伸雄、松井孝志、井上均、信貴敷津線管路直接水冷154kVOFケーブル線路の負荷試験結果、1978年、昭和53年電気関係学会関西支部連合大会G4-19
[5] 中林正次、西川貞次、目見田信弘、堀川常夫、長崎昌司、兼作明吉、野田伸雄、井上均、信貴敷津線管路直接水冷154kVOFケーブル線路、1978年、昭和53年電気関係学会関西支部連合大会G4-20
[6] 目見田信弘、堀川常夫、栗原啓之、中川信一、松井孝志、渋田信弘、野田伸雄、井上均、管路直接水冷線路におけるOFケーブルの熱挙動実証試験結果、1977年、昭和52年電気学会全国大会No1227
[7] 目見田信弘、佐藤太英、OFケーブル外部直接水冷線路の実用化、1977年、昭和52年電気四学会連合大会 No44
[8] 田中一雄、加藤清一、上野啓人、奥田良章、ケーブル冷却設備のリニューアル設計、1997年、平成9年度電気設備学会全国大会  C-6

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(電力輸送)

関連する出来事

1967年
直接水冷線路の研究の開始
1973年
工事期間
1979年6月
信貴敷津線1号線の運転開始

世の中の出来事

1980
自動車生産台数が世界第1位となる。
1980
漫才ブームが起こる。

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キーワード

高電圧・大電流、送電、電線・ケーブル、OFケーブル、管路直接水冷、送電、電線・ケーブル
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