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コンシューマAV製品用高密度実装技術

CCD-TR55外観写真1

図1 CCD-TR55外観写真1

CCD-TR55外観写真2

図2 CCD-TR55外観写真2

CCD-TR55透視イラスト

図3 CCD-TR55透視イラスト

VTRメイン基板写真(リフローA面)

図4 VTRメイン基板写真(リフローA面)

VTRメイン基板写真(リフローB面)

図5 VTRメイン基板写真(リフローB面)

高密度実装技術の変遷

図6 高密度実装技術の変遷

メイン基板断面図

図7 メイン基板断面図

CCD-TR55カタログ(1989年6月)

図8 CCD-TR55カタログ(1989年6月)

部品構成表

表1 部品構成表

※ 「パスポートサイズ」を謳った超小型カメラ一体型8mmVTR "CCD-TR55"と、その兄弟機であるTR45、TR75に採用された高密度実装技術である。メイン基板にコンシューマAV機器としては初めて4層有機(ガラスエポキシ)基板を全面採用し、SMT(Surface Mount Technology)化された部品を採用した。この結果、平均実装密度を10個/c㎡としている。また、部品の小型・軽量化と薄板4層基板化によりセット重量の約5.6%(実装済み基板重量の約35%)の44gの軽量化を可能とし、当時としては世界最小、最軽量の790gのカメラ一体型8mmVTR(TR55)を実現した。
※ これ以前の「リフロー+ディップハンダ付け方式」の場合、SMT技術を採用しても2.8~3個/c㎡の実装密度であった。TR55では、1608(1.6mmx0.8mm)のチップCR部品を多用した上、0.5mmのリードピッチであるVQFP(Very-small Quad Flat Package)型のICを使用して投影面積を削減、これを薄板4層基板に実装して平均実装密度10個/c㎡を実現できた。また、軽量化の為には複合チップ抵抗や複合トランジスタ・ダイオードを採用し部品点数削減を行った。
※ 薄板4層基板の設計においては、部品配置および配線パターン結線はCAD上の対話型機能で行い、回路図、部品表および配線パターン図の結線照合(ネット照合)は自動で、また配線パターン間、パターン‐ランド間、パターン‐スルーホール間等のギャップチェックはデザインルール・チェック機能を用いた。パターンチェックに要した時間は、従来2.5~3日/3人であったものが3時間と大幅に短縮された。
※ TR55のメイン基板は、基板面積に対する部品投影占有面積は75~80%程度となっている。TR55以前の両面基板では50~60%であった。薄板4層基板の板厚0.6mmで配線パターン設計規準は、最小導体幅150μm、最小導体間隔150μm、スルーホールランド径φ0.5mm、スルーホール孔径φ0.35mmである。1.2mm厚の4層基板に対して約30gの重量削減効果を得ている。
※ 実装のためには、部品自装化率を高めるべく、コネクタ、フィルタ、クリスタルといった異形部品と称されるもののSMT化を徹底し、部品自装化率98%を達成した。はんだ付けのためには、低温クリームはんだを開発し使用した。リフローは、従来の赤外線式リフロー炉では50~60度の温度差が生じる為、デバイスに対する熱ストレスを低減するために熱風式リフロー炉を採用した。この結果、最大温度ばらつきを20度以下に抑えられる。高密度実装した基板にストレスをかけずにICT(インサーキット・テスタ)による検査が行なえるように、基板ソリを誘発しない小型・低ピン圧のチェッカーピンを開発し、検査に使用している。
※ CCD-TR55の高密度実装技術は、「基板設計技術・製造技術・品質確保のための体制・その他」ばかりでなく、「はんだ付けの基本技術」などの長年の技術ノウハウの蓄積の組み合わせで達成されたものである。CCD-TR55が登場する前に、いくつもの技術開発プロジェクトが走り、これらの成果を活用することで超小型カメラ一体型8mmVTRの開発と製造が可能になった。単一の技術が成立したことで実現したものではないことを開発者たちは指摘している。

 本研究の成果に対して、映像情報メディア学会は、1989年、高密度実装開発グループに技術振興賞開発賞を贈った。

文献

[1] 大嶋 英司, 豊福 憲治、家庭用AV機器における小型化技術、1989年、テレビジョン学会誌,43巻,6号
[2] 豊福 憲治、カメラ一体型8mmVTR、1989年、エレクトロニクス実装技術,5巻,11号
[3] 豊福 憲治、カメラ一体型8mmVTRにおける実装技術、1990年、テレビジョン学会技術報告,14巻,5号(1月)
[4] 豊福 憲治、ハンディカム55の実装技術、1990年、電子材料 1990年4月号
[5] 蓑宮 武夫,豊福 憲治、CCD-TR55における実装技術、1990年、サーキットテクノロジ,5巻,3号(5月号)
[6] 油家 和宏、カメラ一体型8mmVTR、1990年、電子技術 1990年6月号別冊

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分野のカテゴリ

放送
(家庭用映像機器)

関連する出来事

1989年6月21日
CCD-TR55発売

世の中の出来事

1990
大学センター試験が始まる。
1990
東西ドイツが統一される。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

ザ・ミュージアム(ソニー(株)本社内博物館)「CCD-TR55」

キーワード

高密度実装技術、SMT、VQFP、4層基板、熱風リフロー、クリームはんだ、CCD-TR55、撮像、テレビカメラ、コンシューマエレクトロニクス
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