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建材用電波吸収パネルの開発

  • 写真なし橋本 康雄
  • 写真なし外山 昇
 近年問題になっている地上テレビジョン放送の建築反射によるゴーストを、壁面反射を減らすことにより改善するもので、高層ビルの壁面に貼り付ける電波吸収体を開発した。

 フェライト焼結体の電波吸収体としての応用研究は1960年代後半には既に着手されており、1979年にはその最初の実用例(東大阪市下水処理場)が見られる。しかし最近のビルでは美観や耐久性を重視した厚い外装材が使われる傾向にあり、その厚い外装が電波吸収体としての帯域特性を劣化させることが判明した。この開発研究はその問題点を解決し,さらにフェライト部分を薄くして施工容易性と経済性を改善するものである。

 フェライト層の厚さD2パラメーターとして必要な特性を満足する複素比透磁率μγの範囲を決定する。判定条件は、表面からの反射波の減衰が20dB以上、

 すなわち

     Γ=|(Z-1)/(Z+1)|≤0,1   である。

 ただし

  Zは表面の規格化インピーダンス、

  D2は4mmから10mm、周波数100MHzから500MHz、

  比誘電率εは 11-j0,2 で固定。


 この条件に沿った材料を開発し、それを中央で挟む三層構造のビルの外装用パネルを試作し、特性を定在波法によって測定、評価した。その結果、最外層の厚みを建材として十分なもの(D1=25mm)にすると、どうしても帯域特性を損ねることが分かった。

 これを改善するために、従来は磁界方向に磁気間隔なく並べていたフェライト層に間隔を設け、その幅を実験的に最適化した。(10cm角フェライトタイルで0.7mmの間隔)

 この成果から、良好な電波吸収特性を持ち、かつ施工にも適した高層ビル用の大型外層パネルを開発することができた。

採用実績:AMNAT   (名古屋)昭和63年完成

     新都庁舎ビル (東京) 平成3年完成

 

最大の特徴

  独創性:実用的なモデルによる解析から材料に要求される特性を演繹して材料を開発したプロセスと、更に特性を補い、かつ施工上でも有効な構造上工夫した点に特徴がある。

  有効性:TVのU/Vチャンネル帯域で5dB 改善された電波吸収特性を持つ、施工性にも経済性にも優れたビル外装用パネルを提供することができる。

  主体性:建材としての外装パネルの製作のみは外注であるが、他は発想、開発、試作、評価に至るまで全て自前である。

 本研究の成果に対して、映像情報メディア学会は、1990年、橋本 康雄、外山 昇に技術振興賞開発賞を贈った。

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キーワード

テレビゴースト、電波吸収体、フェライト焼結体、外装用パネル、建物反射、アンテナ・伝播、無線伝送
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