1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号443)

冷却型CCDカメラの開発・実用化

 CCDは量子効果が高いという特徴があり、冷却により暗電流に起因する雑音を抑え、長時間露光を行えば、超高感度撮像が可能になる。このため、電子冷却法の導入により、CCD.カメラの暗電流を大幅に低減し、極めて低輝度の被写体に対しても、90分間に及ぶ長時間露光による撮影可能な、冷却型CCDカメラを開発した。

 CCDカメラの主な雑音成分は、読み出しに伴う雑音Nr、アンプ雑音Na,暗電流ショット雑音Nd1/2、暗電流の1/10~1/4の固定パターン雑音Nfおよび、CCDのリセット雑音がある。

 これらのうちNrは、ビデオフレームメモリーで積算を行う際、信号とともに積算され、その量は、読み出し回数の1/2乗に比例するので、CCD自体で信号の積分をして、読み出し回数を最小限にするのが望ましい。Na周波数帯域の1/2乗に比例する成分と、1/f雑音に分けられ、前者は、低速走査を用いた狭帯域化により、また、後者およびCCDのリセットは、相関二重サンプリングにより大幅に軽減できる。NdとNfは、絶対温度の関数で、素子を冷却することにより、無視しえるレベルまで圧縮可能である。このため良く設計された冷却型CCDカメラでは、1回の読み出しで発生する全雑音は、読み出しに伴う雑音Nrが主な雑音になる。Tc=-50°CにてCCDの転送を停止して、長時間露光を行う場合、CCDの飽和量電荷を1画素あたり、105電子数として、暗電流が飽和電荷量の1/2になるまでを最大露光時間とすれば、計算上20時間以上の露光が可能になる。

 冷却は、2~4段のベルチェ素子を用い、およそ0~-70°Cまでの冷却が可能である。

 冷却型CCDカメラの検出限界は、1画素に入射する光子をP(光子数/秒)、CCDの開口率をa、量子効率η、tを露光時間とすれば、次式で与えられる。

    Ptaη≥

 t=300(秒)、a=0.24、η=0.6、Nd=0.6(電子数/画素・秒)、Nr=20(電子数/読出し)とすると、P≒(光子数/画素・秒)となり、フォトンカウテング領域での撮影が可能になる。

 さらに、高感度化を必要とする場合は、VOD構造や、背面入射型の素子を用いて開口率を上げることが重要である。

 冷却型CCDの感度は、ノイズフロアレベルの引き下げと長時間露光で作り出しており、他の方式のように、ゆらぎを伴う増幅機構がないために、微弱光量下で長時間露光したものは、通常光量下で短時間露光したものと同等の画質がえられる。

 CCDカメラは取り扱いが容易で、かつ、2000:1のダイナミックレンジが得られ、その実用化は、科学計測をはじめ、各種画像情報工学の発展寄与が大きい。

 本開発に対して、映像情報メディア学会(旧称:テレビジョン学会)は、1987年、「技術振興賞開発賞」を贈った。

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

放送
(情報の取り込みと表示)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

1987
国鉄が分割民営化され、JRが発足する。
1987
利根川進がノーベル医学・生理学賞を受賞する。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

撮像、情報センシング
Page Top