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37形カラーテレビの開発と実用化

  • 写真なし利安 雅之
  • 写真なし中西 寿夫
  • 写真なし渡辺 勁二
37形カラーテレビ

図1 37形カラーテレビ

37形ブラウン管方式CTVの製品化技術

 従来、直視管(CRT)では、26"V(28")以下のサイズが主流であり、一方ビデオプロジェクションは、36"V以上で製品化されており、その間を埋めるものがなかった。

 本開発では、大型化路線を打出しており、特に需要の大きいホームユース製品で、その方針を具現化すれば市場に与えるインパクト、イメージアップ、得られる利益は非常に大なることが予測される。

 これらの背景より大型化技術は来るべきHI-VISION(高品位化)時代に、困難と言われた32"以上の壁を破り、達成できうる最大限のCRT CTVの開発を短期間にて開発、製品化にこぎつけた。

 以下、CRTとCTVの製品化技術を説明する。


1.CRT
(1)安全性 商品性 量産性
   超大型管でのバルブの真空応力は飛躍的に大きくなり、又 フラットフェースにすればさらに苦しくなる。それに対し肉厚を厚くすればCRT製造工程中の熱処理工程における熱応力が大きくなり、かつ重量が増える。

   ⇒ 上記の解決方法として、非球面構造ガラス設計
(2)二重安全防爆設計
   ⇒ 防爆に対する安全性として、PPG防爆方式の導入
(3)超大型CRT量産技術
   製造工程におけるCRTの防縮に対する安全性の確保

   ⇒ マテハン→自動化 炉の温度の均一化

2.CTV
(1)地磁気補正及び量産化技術
   電子ビームの飛距離が非常に大きく、かつ蛍光面をファインピッチ構造とした超大型管においては、色再現を正確に行うためのビームランディング設計及び調整が最重要項目である。これらは以下の2点の新技術により解決された。
 ・地磁気補正
   特殊構造の外部磁気シールド板(EMS)に南北磁界補正用磁気キャンセルコイルを組み合わせた新地磁気補正方式を開発した。
 ・量産技術
   超大型管単体の量産品性能はバラツキが大きく、そのままではCTVとしての量産は困難である。CTV組立調整時に、新ウォブリンク方式による、マグネット貼付救済(ビームの軌道修正)法を加えた調整により、商品レベルに仕立て上げた。
(2)低消費電力、高画質 高信頼性設計シャーシの開発
 ・ファインピッチ蛍光面に見合った広帯域ビデオ回路
 ・高圧パワーを安定供給する高信頼性無共振FBT(フライバックトランス)の設計
 ・非球面構造フェースプレート特有のラスタ歪を補正する、高次ラスタ歪補正回路等を駆使した高信頼性シャーシを開発、超大型CTVにもかかわらず、低消費電力化に成功した。
3.特徴
 (1)世界初の超大型直視形CTVである。
 (2)従来管種で主流となりつつあるフラットスクエア化、コントラスト重視のティンテッドフェースを採用、かつAVテレビとして必要豊富な入出力端子群等、ニューメディア時代にふさわしい機能を装備しさらに、業務用ユースも意図した細かな配慮を行った。
 (3)通常のCTVと同等の取扱で顧客に据付可能なコンパクトな仕様とし、特に省スペースを配慮した。
 

 本研究の成果に対して、映像情報メディア学会は、1987年、利安 雅之、中西 寿夫、渡辺 勁二に技術振興賞開発賞を贈った。

文献

[1] 利安 雅之,岩崎 安男、超大型37形カラーテレビジョン受像機の開発、1985年、テレビジョン学会技術報告,ED913、IPD101-16
[2] 中西 寿夫、CRTの超大型化、1988年、日本表面科学会誌,第9巻(1988)第4号
[3] 利安 雅之,柴田 守,吉田 直久、大画面高画質カラーテレビ"CZシリーズ"、1988年、三菱電機技報,VOL.62・No.6

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放送
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1987
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キーワード

超大型カラーテレビ、大画面CRT、地磁気補正、ディスプレイ、コンシューマエレクトロニクス
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