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昇華性染料熱転写方式カラービデオプリンタの開発

  • 写真なし後藤 敏彦
  • 写真なし木村 寛之
  • 写真なし吉田 雅志
家庭用感熱昇華方式カラービデオプリンタの試作機(1985年)

図1 家庭用感熱昇華方式カラービデオプリンタの試作機(1985年)

家庭用感熱昇華方式カラービデオプリンタ(VY-20 1987年)

図2 家庭用感熱昇華方式カラービデオプリンタ(VY-20 1987年)

 (当時)VTR市場の拡大、ニューメディアの発展を背景として、ビデオ画像の高画質ハードコピーのニーズが高まっていた。これに呼応して、写真に匹敵する画質のカラービデオコピーの開発を進めてきた。

 精密な発色濃度制御が必要だが、高解像度かつ高階調なプリントが可能な感熱昇華方式を選定し、昇華染料シート(3色)を用いた熱転写方式により、手札版(80×120mm)の高画質プリント(64階調、6画素/mm)を80秒で得るカラービデオコピーを開発した。

 家庭用として初の感熱昇華方式ビデオプリンタ(25万円)として1986年5月発売。続いて、業務用機を発売。さらに、家庭用第2世代機ビデオプリンタ(16.8万円)を1987年7月に発売した。


 <技術のポイント・特徴>

1.昇華染料の昇華量を発熱ドット毎に制御することにより、高解像、高階調を両立させることが可能となり、写真並みの高画質でのビデオ画像プリントを実現した。
 (1) 高解像:RGB各色につき480×512画素、分解能6本/mmだが、スリット付き感熱薄膜ヘッドの開発により、12本/mm相当の視感効果を実現した。
 (2) 高階調:黄、シアン、マゼンタの3色を各々64階調に発色制御。発色ドットを傾斜形状として走査線構造を目立たなくした。
 (3) 高純度発色:高純度染料シートと色の刷り順によりグラビア印刷を上回る発色領域を得た色補正信号処理、γ特性の最適化により自然色に近い発色を実現した。
 (4) デジタル画像信号処理回路:高精度中間処理方式、フィールド画像のデジタル補間処理による高画質化方式等をLSI(4チップ)化(その後、第2世代機ではLSIを1チップ化して回路コストを半減)。2画面メモリ、プリント中の画面モニタ等の機能を内蔵。
 (5) 高速プリント:高耐熱感熱ヘッド、受像紙のチャックレス紙搬送メカ方式、高感度昇華染料の開発等により手札サイズを80秒/枚でプリント。プリント後のラミネート処理は不要。
2.映像信号入力としてNTSC、RGB信号入力を可能とした。インターフェースを介してパソコン画像入力も可能。インク紙はカートリッジ(50枚)化し、操作性を良くした。


 本技術開発の展開として、A4判高精細ビデオプリンタも開発(1986年エレクトロニクス・ショーに出展)
 (1) 1024×1760画素、6画素/mmの高解像度、色ズレを1/2ドット以下に抑えた、面順次印画により1000本TV(現在のHDTV)対応
 (2) 高速データ転送と高感度インクにより、20msecで1ラインをプリント。A4判フルカラープリント時間約2分を達成。
 (3) 超小型機構:デュアルローラ方式による紙搬送・印画機構により、3色同一方向の連続面順次プリント機構を80mmで実現。

 なお、昇華型インクシートは大日本印刷と、感熱ヘッドは京セラと共同開発をした。

 本研究の成果に対して、映像情報メディア学会は、1987年、後藤 敏彦 、木村 寛之、吉田 雅志に技術振興賞開発賞を贈った。

文献

[1] 半間、後藤、白石、昇華性染料感熱転写方式による電子スチルカメラ用ハードコピー装置、1985年、テレビジョン学会誌:Vol39,No12:1985/12
[2] 半間、後藤、小堀、松野、A color video printer with sublimation dye transfer method、1985年、IEEE transCE-31,No3:1985/8
[3] 水島、村上、井出、中山、半間、森田、尾形、小特集 電子スチルカメラとハードコピー、1985年、テレビジョン学会誌:Vol39,No9:1985/9
[4] 半間、後藤、松野、阿部、堀、電子スチルカメラ用カラーハードコピー装置、1984年、テレビジョン学会技術報告:Vol8,No35,TEBS100-3:1984/12

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放送
(家庭用映像機器)

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家庭用ビデオプリンタを発売
1986年10月
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1987年7月
第2世代カラービデオプリンタ

世の中の出来事

1986
男女雇用機会均等法が施行される。
1986
三原山が209年ぶりに爆発する。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

ビデオプリンタ、昇華性染料、熱転写、カラー、ビデオコピー、印写技術、色再現、コンシューマエレクトロニクス
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