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FTTH用1.25Gbit/sバースト光送受信インタフェース技術の実用化開発

  • 本島 邦明本島 邦明
  • 田上 仁之田上 仁之
  • 中川 潤一中川 潤一
 宅内映像伝送サービスやインターネットトラヒックの増大に柔軟に対応できる光加入者接続を提供するFTTH(Fiber To The Home)の国内契約者数は,2011年に2,000万加入を突破しようとしている.2004年頃から商用導入が開始されたGE-PON(Gigabit EthernetPassive Optical Network)は,FTTHを経済的に実現できる広帯域光加入者網の中核として,確固たる市場地位を確立するに至った.
 GE-PONでは,伝送路上にスターカップラを配置することにより,複数の加入者を1台の局側装置に収容し,加入者当りの局側装置コストを低減する.加入者から送出された上りバーストは,スターカップラと局側装置を結ぶ共通ファイバ上で衝突しないように,光時分割多重によって送出タイミングが制御される.このとき,上りバーストは,バーストごとに異なる光強度であるとともに,局内クロックとは無相関な位相状態となっている.局側装置のバースト光受信インタフェースでは,受信バーストの振幅再生と局内クロックとの位相同期を,バースト中に割り当てられたオーバーヘッド領域内で高速に確立する高度な技術課題があった.
 上記の技術課題を克服するために,受賞者らは,異なる光強度の信号振幅を高速かつ安定に再生できる受光利得の連続制御方式を考案した.光強度に応じて増幅利得を連続的に制御する方式であり,増幅利得を段階的に切り替える従来方式に比べて,最適な増幅利得を安定に制御できる.また,考案方式に基づく専用集積回路を開発し,400ns以下で高速収束する受光強度追随と,24dB以上の広範囲なダイナミックレンジを達成した.
 また,バースト光送受信インタフェース用として世界初となる,多相サンプルによる位相同期機能を集積化したLSIを開発した.受信信号を8倍速度のクロックタイミングでサンプルし,最適位相でサンプルされた信号のみを論理選択する位相同期方式である.PLL(Phase Locked Loop)方式に比べて約50倍の高速同期を実現しつつ,データ遷移点の誤検出確率を十分に抑圧することにより,約0.7ビット周期もの高いパルス幅変動耐力を達成した.
 更に,受光利得連続制御回路と多相サンプル位相同期回路を内蔵し,高い動作信頼性と価格競争力を持つ小形のバースト光送受信インタフェースを開発した.32dB以上の装置間損を許容することで,局側装置の1ポート当り32加入以上の多ユーザ収容を運用上で検証し,実用化技術としての道を開いた.
 本島邦明君には,バースト光送受信インタフェース技術の開発をけん引した業績を含め,2010年に電子情報通信学会フェロー称号が贈呈された.また,受賞者らは,FTTHの国際展開をにらみ,IEEEやITU-T/FSANにおける標準化委員会への技術提案や,複数の国際学会におけるプログラム委員として,FTTHの啓発活動にも貢献している.
 以上のように,受賞者らは,FTTH用1.25Gbit/sバースト光送受信インタフェース技術における開発課題をれい明期から予見するとともに,それらを克服する一連のブレークスルー技術の開発を揺るぎない信念のもとに完遂させ,世界に先駆けて実用化した.通信コストを低減した経済的な広帯域光加入者接続を実現するためのキーデバイス技術を実用化し,FTTH普及・拡大への推進力となった受賞者らの業績は極めて顕著であり,電子情報通信学会業績賞にふさわしいものである.

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、2011年、本島 邦明(三菱電機)、田上 仁之(三菱電機)、中川 潤一(三菱電機)に電子情報通信学会 業績賞 を贈った。

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