1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号333)

前駆遮断技術開発によるCVケーブル、接続部の高性能化

  • 写真なし遠藤 桓
4t、110kV前駆サンプルの状況

図1 4t、110kV前駆サンプルの状況

4t、140kV破壊サンプル前駆P.D.パルス

図2 4t、140kV破壊サンプル前駆P.D.パルス

 CVケーブルの超高圧化、高性能化が進むにつれて絶縁信頼性がより重視されるようになった。特に絶縁破壊による短絡事故を防ぐためには、極めて初期段階の絶縁破壊現象を検出し、位置を同定し、劣化状態を観測することが必要となるが、従来は絶縁破壊が発生すると破壊部が大きく焼損して、絶縁破壊の原因となった局部的欠陥を明確にすることができなかった。この新しい技術開発では破壊直前の「前駆遮断法」が提案され、まず欠陥部を摘出することが可能になった。

 また、開発当初の高電圧CVケーブルには、破壊電圧に大きなバラツキがあったが、この技術により初期の絶縁破壊点の観測が可能となり、その原因が絶縁層中の微小異物にあることが立証された。それを可能にしたのは高感度部分放電検出、課電源の高速遮断、微小異物の位置標定、摘出、分析の各技術の開発である(図1図2参照)。この手法により、例えば150μmの微小異物が破壊の起点になり得ることが初めて実証され、CVケーブル中の電気的弱点を確実に摘出できるようになった。すなわち、微小な部分放電を検出したらすぐに電源を遮断し、ケーブル中の部分放電発生位置を確定して欠陥部を摘出することができるのである。

 この技術はCVケーブル製造システムの改善にもつながり、ケーブルや中間接続部の絶縁性能を向上させた。さらにその後、前駆遮断技術の向上のほか、長距離ケーブル線路部分放電検出による「線路健全性評価」の技術開発の端緒にもなった。

 この研究で提案された技術によりCVケーブルの信頼性が向上し、2000年6月には東京電力が世界初の500kVの長距離CVケーブル線路(42km)の東京都心導入に成功した。この経験をもとにOFケーブルに代わる低コスト、高信頼性の電力供給システムが構築された。さらにこの技術は、絶縁劣化による「余寿命評価」にも活用されており、超高圧CVケーブルの性能、信頼性向上の開発研究に大きく貢献した。

 本研究の成果に対して、電気学会は、1990年、遠藤 桓(日立電線)に電気学術振興賞(論文賞)を贈った。

文献

[1] 遠藤桓、前駆現象検出によるCVケーブル絶縁破壊原因の解明、1988年、電気学会論文誌B,108,10号, pp.451-458

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

電気・電力
(電力輸送)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

1990
大学センター試験が始まる。
1990
東西ドイツが統一される。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

前駆遮断、CVケーブル、絶縁破壊原因、高電圧、ケーブル製造技術、電線・ケーブル、誘電・絶縁材料
Page Top