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再生骨材のコンクリートへの適正利用に関する技術開発

再生骨材のコンクリートへの適正利用

図1 再生骨材のコンクリートへの適正利用

道正 泰弘
村 雄一

 構造物を解体したときに発生するコンクリート塊を処理して、コンクリート用再生骨材として利用しようとする研究は、地球環境保護および持続可能な循環型社会の形成に関する将来を見据えて、すでに1970年代から始められている。当初は、解体コンクリート塊を破砕しただけの骨材を重要でない構造物へ利用するというものであったが、1980年代には普通骨材と混合使用して平均的な品質の向上を図り、一般の構造物に適用することが考えられた。しかし、これらの研究開発の成果は普及には至らなかった。1990年代になって、再生骨材であっても高度処理して普通骨材と同等の品質を付与しなければ普及しないという考え方が主流になり、高度処理技術に関する研究開発が進み、高品質の再生骨材(再生骨材H)が規格化され、実用に供されるようになった。
 しかし、再生骨材Hだけでは骨材の収率が悪く、再生骨材の有効利用という点で問題が残った。再生骨材は主として吸水率によって品質区分されているが、再生骨材Hの吸水率の規定を満足しない再生骨材を使用して、再生骨材Hと遜色ない性能のコンクリートを実現するための適正利用に関する技術開発が望まれてきた。
 再生骨材には、コンクリート塊を破砕したときにモルタル塊や付着モルタルなどの混入モルタルが含まれ、吸水率は主として混入モルタル量に支配される。したがって、再生骨材の品質を確保するためには、要求されるコンクリートの性能に応じて必要な骨材の吸水率が得られるように普通骨材を混合して使用することが考えられる。以前、再生骨材と普通骨材の混合使用方法が考えられたときは、コンクリートの性能との関係についての検討が十分になされてはいなかったと言える。本技術開発では、コンクリートの性能と再生骨材の品質との関係を明確にし、所要の性能のコンクリートが得られるような調合設計、製造および品質管理方法を開発したものであり、高く評価できる。
 再生骨材の使用にあたってのもう一つの重要な点は、解体構造物および原コンクリートにおける使用骨材に関する情報である。これらの情報が不十分な場合、原産地の不明な骨材が混入することによって製造されたコンクリートに予期せぬ性質が現れたり、ばらつきが生じる可能性がある。特にアルカリ骨材反応性のある骨材を排除するためにはどの程度の頻度で試験をすれば安全なのか、明確ではない。本技術開発では、受賞者らの所属する機関を中心に、解体構造物や原コンクリートの使用骨材に関する情報がそろっているものを利用することとしており、現状ではクローズド・システムであるが、将来は、他機関においても情報が共有できる場合には互換可能なシステムであり、今後の発展が期待できる。

 本研究の成果に対して、日本建築学会は、2013年、道正 泰弘(東京電力(株)建設部土木・建築技術センタースペシャリスト)、村 雄一(東電設計(株)建築本部専門職)に日本建築学会賞(技術)を贈った。

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地球環境対策、コンクリート用再生骨材、再生骨材H、品質管理方法、使用骨材情報
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