1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号3)

MUSE方式による高画質テレビの実現

  • 写真なし二宮 佑一
  • 写真なし杉本 昌穂
MUSEエンコーダ(1984年)

図1 MUSEエンコーダ(1984年)

LSI MUSEデコーダ(1989年)

図2 LSI MUSEデコーダ(1989年)

ディスクリートデコーダ(後)とLSIデコーダ(前)(1989年)

図3 ディスクリートデコーダ(後)とLSIデコーダ(前)(1989年)

改善型MUSEエンコーダ・デコーダの展示(1993年)

図4 改善型MUSEエンコーダ・デコーダの展示(1993年)

改善型MUSEシステムの展示 (1994年)

図5 改善型MUSEシステムの展示 (1994年)

 ハイビジョン(高画質テレビ)を放送衛星の1チャンネル(27MHz)で伝送するテレビの放送方式を「MUSE(Multiple sub-Nyquist Sampling Encoding)方式」と呼ぶ。これはNHKが中心になって1970年ごろから開発してきたアナログ伝送のための圧縮方式である。テレビ画面の縦横比率が9:16と従来の3:4に比べて横長(ワイド)の形になり、音声はデジタルデータに変換する方式(PCM方式)によって音質が向上した。

 ハイビジョン信号をリアルタイム処理するには数十MHzの高速ディジタル回路が必要である。1980年代に個別部品でエンコーダ(信号を一定規則に基づいて符号化する装置)とデコーダ(復号器。信号を元の形に戻す装置)を試作して数多くの実験を行った。国内だけでなく1986年にはイタリア・トリノで、1987年には米国・ワシントンで公開実験を行った。しかし「画質はすばらしいが、デコーダが大きすぎる」という指摘が相次いだ。家庭にハイビジョン受信機を設置するには、デコーダ用LSIを開発することが不可欠であった。

 そして1989年、テレビメーカ3社と協力してMUSE受信機用のLSIデコーダを完成した。これを組み込んだハイビジョン受信機が同年、テレビメーカから発売され、MUSE方式を用いたアナログ放送として世界初のハイビジョン定時実験放送がスタートした。その後、LSIの小型集積化と画質改善が続けられ、MUSE受信機は100万台以上に普及して、1994年にハイビジョン放送は実用化試験放送へと切り替わった。そして2000年からはBSディジタル放送が始まって、本格的なハイビジョン時代を迎えることになったのである。

 本研究の成果に対して、映像情報メディア学会は、1990年、ハイビジョン伝送方式の確立をリードした二宮 佑一(NHK放送技術研究所)に著述賞、1994年に業績賞を、1995年には杉本 昌穂(NHK放送技術研究所)に功績賞を贈った。

文献

[1] MUSE方式の開発、1987年、NHK技術研究,Vol.l39,No.2
[2] 高品位TVの衛星1ch伝送方式(MUSE)、1985年、学論誌,Vol.J68D,No.4
[3] ハイビジョン衛星伝送方式、1988年、TV学誌論文,Vol.42、No.5
[4] 高精細度化によるMUSEの画質向上、1994年、TV学誌論文,No.12
[5] 二宮 佑一、MUSE-ハイビジョン伝送方式、1990年、電子情報通信学会

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

放送
(放送の方式と処理技術)

関連する出来事

1984年
MUSE方式開発発表
1987年
BS伝送実験放送
1988年
ソウルオリンピック中継
1989年
定時実験放送開始
1994年
実用化試験放送開始

世の中の出来事

1994
松本サリン事件が起こる。
1994
自民党と社会党の連立による村山内閣が発足する。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

MUSE、テレビ、受信機、サブサンプル、動き補正、ディジタル信号、ハイビジョン、放送方式、衛星放送、ディジタル放送、映像符号化
Page Top