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順次走査変換のための疑似動き信号の多重

  • 写真なし鈴木 教洋
  • 写真なし平野 裕弘
  • 写真なし吉木 宏
  • 写真なし吹抜 敬彦
 TVの走査には、現行TVに多い飛越走査と、PC等で用いられている順次走査がある。この変換、特に、飛越走査から順次走査への変換は重要であり、高画質化に大きく貢献する。それは、飛越走査にはフリッカなどの現象があって、視覚的に劣化要因になるからである。

 この変換は、飛越走査において飛ばした走査線を周りから内挿することによって行われる。即ち、静止領域では、前のフィールドの走査線の信号をそのまま繰返す(フィールド間内挿)。一方、動領域でこれを行うと、2重像になってしまうため、上下の走査線からフィールド内内挿を行う。実際は、動きの大小によって、この2つの内挿を適応的に加重和する。

 ここで重要なのは、動きの判定である。しかし、飛越走査では、「特殊な静止パタン」と「特殊なパタンがある動きをした場合の信号」が、原理的に全く同一の信号になってしまう。この結果、動き判定を誤り、上記の内挿が誤動作することになる。これが画質の大幅な劣化になる。現在でもこれを実装した受像機は多いが、各受像機メーカは、やむを得ずに何とか「ごま化して」いる。

 これを根本的に解決するには、「誤り判定をする危険性のある信号の場合に、これを避ける信号を挿入すること」が考えられる。本研究の第1の主旨はここにある。

 即ち、静止領域と全く等しいスペクトルになる動画像領域で、擬似的に「動きに相当する信号(フレーム間で変化する信号)」を挿入する。ただし、輝度信号Yにこれを多重すると大きな画質劣化になるので不可である。本研究の第2の主旨は、この目的のために、視覚的に劣化になりにくい色信号にこれを多重することにある。

 この結果、動き検出の誤りが大幅に減少し、順次走査変換が飛躍的に向上する。

 本研究の成果に対して、映像情報メディア学会は、1989年、鈴木 教洋(日立)、平野 裕弘(日立)、吉木 宏(日立)、吹抜 敬彦(日立)に丹羽高柳賞論文賞を贈った。

文献

[1] 鈴木教洋,平野裕弘,吉木宏,吹抜敬彦、順次走査変換のための送信側疑似動き信号の多重、1988年、テレビジョン学会誌 vol.42, No.9
[2] Masahiko Achiha, Kazuo Ishikura, Takahiko Fukinuki、A Motion-Adaptive High Definition Converter for NTSC Color TV Signals、1984年、SMPTE J. Vol.93, No.93
[3] 平野裕弘,吹抜敬彦,吉木宏,重左秀彦、EDTVにおける動き適応処理の一検討、1986年、テレビジョン学会全国大会13-9

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キーワード

順次走査変換、飛越走査、疑似信号、IDTV、EDTV、放送方式、映像符号化、方式変換、画質・音質
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